【陸自ヘリ墜落】「空飛ぶ戦車」は80億円 整備能力と人災の可能性

2018年02月06日 17時00分

 5日午後4時43分ごろ、佐賀県神埼市千代田町の民家に陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落し、炎上した。AH64D戦闘ヘリは「空飛ぶ戦車」の異名を取る。米ボーイング社とライセンス契約を結んだ富士重工業(現スバル)が製造した。全長18メートル、重さ約10トンで、最高速度は時速約270キロ。給油なしで500キロの飛行ができる。主翼上部にレーダーを搭載し、多数の目標を攻撃することができるなど、高い戦闘力を持つ。同機は2001年に陸上自衛隊が導入を決め、今回の事故機を含めて現在計13機を保有。一方で1機約80億円と高額なため、防衛省は08年に導入計画を打ち切った。

 そんな高額&高性能ヘリがなぜ墜落したのか?

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「新型ヘリなので老朽化はありえない。現時点で疑わしいのは整備不良。飛行機の場合はエンジンが止まっても、両翼があるのでしばらく飛行することができますが、ヘリの場合は1か所に異常が発生しただけで、全体のコントロールができなくなる。直撃した民家の数メートル先には畑が広がっていたが、そこにたどり着く前に墜落していることからも、操縦席からではどうにもならない深刻なトラブルが起きたと考えられます」と指摘する。現時点で事故原因は特定されていないが、仮に整備不良であれば「ヒューマンエラーの可能性が高い」(黒井氏)。つまりは人災ということだ。

 他方で、AH64Dヘリを整備できる隊員が慢性的に不足しており「事故は起こるべくして起きた」(航空関係者)という意見もある。

「日本の戦闘機のほとんどが米国製。米国にとって日本は“いいカモ”でしかなく、売りつけた後のメンテナンスは頼りにならない」(同)。切実な問題を抱えている。