【陸自ヘリ墜落】現場に急行した大仁田厚氏「飛行ルートが問題なのでは」

2018年02月06日 17時00分

大仁田氏

 閑静な住宅街にヘリが突き刺さった。5日午後4時43分ごろ、佐賀県神埼市千代田町の民家に陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落し、炎上した。ヘリの隊員1人が死亡、別の隊員の行方が分かっておらず、6日も捜索が行われている。民家に住む11歳の少女が軽傷を負った。目撃証言からヘリは空中分解し、制御不能になった可能性が浮上。4月の神埼市長選に出馬表明している元プロレスラーの大仁田厚氏(60)は現場に急行。飛行ルートに問題点がないか検証するとした。

 ドーン! 墜落現場から東に400メートルの民家に住む年配の男性は大きな異音に驚いた。慌てて自宅を出ると、西の空にヘリコプターが頭から真っ逆さまに落ちていった。そして、民家に突き刺さり、再びドーンと音がした。

「飛んでいる間に爆発したから音がしたんだ。プロペラ(ローター)も吹っ飛んでいたよ。フラフラして落ちていくのではなく、ストンと真下に落下していった」と男性は振り返る。墜落した家からは黒い煙が上がったという。

 墜落現場から北に50メートルほどのところに住む男性は「家の中にいたらドーンと音がして、地面から響くように揺れたんだ。ガラス窓はバリバリと音を立てていた。地震が起きて、ウチのガスが爆発したと勘違いした」と恐怖した。この男性が聞いたのは墜落時の衝撃音だろう。

「私の家も部品が飛んできて影響があったみたいなんだ」と話すのは帰宅途中のサラリーマン。墜落した民家の2軒隣に住んでいる。「すぐに友人から連絡が来た。友人は落ちる所を見ていて、ヘリが部品をボロボロと落として空中分解してるみたいだったと言っていた。その一部がウチに落ちたのかも」
 はやる気持ちを抑えつつ、規制線の奥へ続く家路を急いでいた。

 現場となった民家は、墜落から3時間以上たっても白煙を上げていた。新築に見えるきれいな住宅の屋根はなくなり、骨組みが丸見え。こげたニオイも漂う。消防隊が消火活動を続け、警察が交通整理。ヘリには微量の放射性物質が含まれており、計測も行われた。自衛隊は田んぼに部品が落ちていないか捜索を続けた。

 一方、背筋がヒヤリとする体験をしていたのが大仁田氏だ。大仁田氏は4月の神埼市長選に出馬表明したばかり。

「実は今日(5日)の午前中、千代田町にある江頭2:50の実家に行ったところで、午後3時ごろまで千代田町にいた。車で15分くらいの神埼町の事務所に戻ると、支援者から『ヘリが落ちた!』と一報を聞いてビックリしたよ。すぐ駆けつけたけど、近づくことはできなかった」(大仁田氏)

 なんと墜落現場付近にいたというのだ。見知ったところだけに思うところはある。「落ちた場所の近くにある次郎体育館では昨年9月17日にチャリティー興行を開催している。俺もプロレスの試合をしたから、なじみがある場所なんだ」

 地元住民らは一様に自衛隊への不信感を高めている。墜落したヘリは吉野ケ里町の陸自目達原(めたばる)駐屯地に所属。整備点検後の試験飛行を行っている最中に墜落したとみられている。

 ある住民は「ヘリが飛んで騒音がうるさいのは今までずっとそうだったけど、落ちたことなんてなかった。演習は春と秋にたくさんやっていたけど、この時期に千代田周辺を飛ぶなんて少なかったはずなのにどうして…」と首をかしげる。

 別の住民も同様の証言をしており、ヘリがなぜ千代田町上空を飛んでいたかも解明されなければならない。

 大仁田氏は「学校(市立千代田中部小学校)や集落の上空が飛行ルートになっていたのか? もしそうなら、それは問題なのではないか」と検証の必要性を訴えた。沖縄で在日米軍の航空機やヘリのトラブルが相次いでいた中で、よもやの自衛隊機の墜落。原因究明が急がれる。