首都圏大雪で混乱 都市の脆弱さと生かされぬ教訓

2018年01月23日 11時45分

大雪に見舞われた東京

 首都圏の大雪は一夜明けた23日も一部交通機関などで混乱の影響が続いている模様だ。東京都心では22日の昼ごろから降り始め、2014年2月以来4年ぶりに積雪が20センチを超えた。電車のダイヤが乱れ、一部凍結した道路でスリップ事故や歩行者の転倒も相次いだ。大雪が原因の可能性もある停電も。都市インフラの脆弱さが改めて浮かび上がった形だが、過去の教訓は生かされていないのか。

 23日朝も首都圏のテレビ各局は首都圏大雪について「混乱続く」「影響続く」と時間を割いて伝えた。東京都心で23センチだった積雪は、横浜市で18センチ、埼玉県熊谷市で19センチに達した。列車の運休や遅れが相次いだ22日、積雪が多かった都心では複数の私鉄で入場規制が行われた。降雪のピークが帰宅時間帯と重なったため、利用客が集中してしまった。

 都内にある全長約18キロの山手トンネルは渋滞が激しく、立ち往生する車も。東京湾にかかるレインボーブリッジの下の一般道は、追突やスリップ事故が複数件起きた影響で午後6時40分から閉鎖され、車数十台が一時取り残された。

 警視庁によると、雪が積もり始めてから23日午前0時までに交通事故の発生が766件確認された。バイクの転倒事故などの人身事故が47件、物損事故が719件。東京消防庁は、転倒による都内のけが人が22日午後9時までに67人に上ったと発表した。神奈川県と千葉県では、雪の影響も考えられる停電が同日夜にあった。

 混乱が生じるのは避けられないとはいえ、いずれも過去に見たような光景でもある。前日から降雪は予想され、国土交通省も「不要不急の外出は控えるとともに、やむを得ず運転する場合には、チェーンの早めの装着をお願いします」とアピール。その警告をテレビでもさんざん流していたのに、これほど多くの事故やケガ人が出たということは、これまでの教訓が生かされていないということか。

「不要不急」といってもネットには「学校、仕事を休んでいいのかよ」などといった書き込みがあふれた。不要不急でない外出者に対しては、企業や学校、公共機関などのさらなる取り組みが課題となりそうだ。

 国や自治体などの行政が、大雪などの天災から守ってくれると思っている人は少ないはず。やはり「自分の身は自分で守れ!」だろう。だが、それでも足りない。

 ある医療関係者は「実は高齢者にとって一番怖いのは転ぶこと。骨が弱っているからすぐに骨折して、そのまま寝たきりになってしまう。今回も多くの人が救急搬送されたが、雪の日の高齢者の転倒は、周りにいる家族が防がなくてはなりません」と話している。