消防局採用試験で色覚検査撤廃の動き…他職種でも広がるか

2017年12月19日 08時00分

 色覚検査の結果によって、消防署員として就職できないのはおかしいという声が上がっている。全国の超党派の地方議員による「カラーユニバーサルデザイン推進議員ネットワーク」が今月、30都道府県の消防本部に対して行った、採用時における色覚検査の実施状況調査の回答を集計した。色覚検査を実施する消防局は59%。そのうち「採用結果に影響する」のは全体の49%に上る。

 同議連事務局の千葉県松戸市議会議員・関根ジロー氏(33)は「色覚検査は差別を助長するとして2003年に学校現場で中止された。その後、自身が色覚異常だと知らないまま、就職試験で不採用にされるケースが相次いだ」と語る。

 採用試験で色覚障害(色弱)を知った若者が夢を諦めたり、地元を離れて就職することになる。それでは都合が悪いと、文科省は昨年から学校での任意検査を復活させたが、消防局では「大きな前提となる就職制限の理由が消防局単位であやふや。制限を受ける根拠を誰もチェックしていなかった」(関根氏)という。

 消防署員としての仕事に色弱が影響するという根拠も薄弱だ。千葉県の野田市消防局では「信号機の識別の確認」のために検査が必要としている。だが、関根氏は「信号機の識別は色よりも、赤・黄・青の配置で判断できる。ロープの色を理由にする場合には、色弱でも識別可能な色のロープにすることで対応可能」と反論する。採用時に門前払いにするのではなく、誰でも働ける環境にするように工夫する余地がある。

 今月6日、横浜市の林文子市長は定例会見で「色覚検査は必要ない。消防局に改善してもらえるよう話した」と語った。自治体の方針変化は全国的に広がるだろう。前出の野田市消防局でも来年度からは採用に影響しないことが決まった。

 現在は警察や自衛隊、パイロット、運転手などの職業でも色覚検査が必要だ。消防だけでなく、様々な仕事で検査の根拠を見直す雰囲気の広がりが期待されている。