外れ馬券裁判「経費」で明暗… なぜ公務員は競馬に強いのか

2017年12月16日 17時00分

落ちている外れ馬券を集めても経費には認められません

 独自の理論で馬券を大量購入し、多額の利益を得ていた北海道の男性A氏が、外れ馬券の購入費を経費と認めず所得税など約1億9400万円を追徴した課税処分の取り消しを国に求めた行政訴訟の上告審判決で、最高裁は15日、国側の上告を棄却した。これで外れ馬券を経費と認めた二審東京高裁判決が確定した。

 以前にも同様の訴訟はあったが、今回は実に興味深い。A氏は市販の競馬ソフトは使わず、馬や騎手の特徴を分析し、独自のノウハウを確立。2005年から6年間で約72億7000万円分を購入し、約5億7000万円の利益を上げた。

 これまで外れ馬券=経費とするには、専用の競馬ソフトで「網羅的・継続的に大量購入する」が要件とされたが、A氏はソフトに頼らず年間3億~21億円もの馬券を購入。その手法がソフトに負けず劣らずの「営利目的の継続的な行為」と認定され、最高裁は「利益を得るためには外れ馬券の購入は避けられず、必要経費にあたる」と判断した。

 気になるA氏は北海道の40代公務員男性。一公務員が6年間で計72億円もの馬券を購入したのだから驚くばかりだ。

 同じ公務員では昨年10月、大阪府寝屋川市固定資産税課の男性B氏が、2度のWIN5的中などで得た約4億3000万円を申告せず、6200万円を脱税したとして、大阪地検特捜部に所得税法違反容疑で摘発された。こちらは外れ馬券は経費として認められなかった。

 線引きがあいまいなような気もするが、それにしてもなぜ公務員は競馬に強いのか?

「B氏は競馬歴も浅く、購入も基本的には100円単位。我々と同じで普通に競馬新聞などを見て、予想していた。勘が鋭いというほかないが、本業が安定の公務員だけに心の余裕はあったかもしれない。対照的にA氏は最初の出資額からして桁違い。本当に1人でやっていたのか疑問も残る」(関係者)

 公務員ギャンブラーのバカ勝ちはいつまで続くのか――。