急死・サンフランシスコ市長に非情書き込み 慰安婦像受け入れ以外で猛批判

2017年12月14日 17時00分

エドウィン・リー市長(ロイター)

 米国で先月、中国や韓国系の民間団体が設置した慰安婦像の寄贈の受け入れを承認したサンフランシスコ市のエドウィン・リー市長(65)が12日、急死した。同氏は慰安婦像が公共物となったことに反発した大阪市が姉妹都市の解消を決めるなど、日本では“反日市長”として話題を集めたが、米国内では別の問題で猛批判を浴びていた。

 リー氏は11日、同市内で買い物中に倒れ、翌日亡くなった。心臓発作とみられる。中国系移民の両親の間にワシントン州シアトルで生まれ、人権派弁護士として活動した後、2011年に同市初のアジア系市長として初当選。15年に再選され、2期目だった。

 もともと全米でも代表的なリベラル都市として知られるサンフランシスコは1989年に「聖域都市」を宣言。連邦政府の不法移民政策に協力せず、不法移民というだけで逮捕や強制送還をしないというものだった。

 だが、メキシコやアジア系などの不法移民が今や1100万人ともいわれる米国では近年「職を奪われる」「治安が悪化する一方」などと国民の不満が高まり続けている。トランプ大統領(71)が選挙公約とした「メキシコ国境の壁」建設や「不法移民は国外追放」という方針への支持が広がった背景にはそんな理由がある。

 その流れに反し、リー市長は就任2年後の13年に「聖域都市」の具体策として不法移民を保護する新条例を推進し、市議会は全会一致で可決。当局は不法移民に対し、殺人や性犯罪などの重い犯罪歴がない限り、身柄拘束ができなくなった。当然、多くの市民は新条例に反発。昨年5月にはリー氏のリコール運動が起きるなど、市は反市長派とリベラル派に分断されていた。

 リー氏の急死を速報した米フォックス・ニュース(電子版)のコメント欄は「これで不法移民の犯罪を許してきた市長がこの世を去った」など“死人にムチ打つ”ような書き込みであふれた。

 一方、吉村洋文大阪市長(42)はリー市長の急死を受け、哀悼の意を伝えた一方、姉妹都市提携の解消を正式決定したことを13日に明らかにした。