名古屋市が犬のフン放置問題に“イエローチョーク大作戦”で切り込む。

 市内の住宅地や公園に放置された犬のフンを発見次第、回収するのではなく、目立つように周囲をぐるりと黄色いチョークで囲んで脇に発見日時を記す。飼い主に自身による処分を促す試みだ。

 京都府宇治市が最初に導入し、効果を上げていることに目を付け、市議会で「フン害に“憤慨”している地域で、チョーク作戦を導入してはどうか!?」と提案した吉田茂名古屋市議(54=自民)は本紙にこう語る。

「先日のウオーキング大会でも『歩道にフンが落ちてるなぁ』って声が地元の人たちから上がったくらい、住宅地のフン被害は深刻。犬の散歩はだいたい毎日同じコースを通るので、放置した人は自分が放置したフンだと分かっているはず。チョークで目立たせておけば“誰かが見てる”という羞恥心を持って片付けるようになるんじゃないか」

 実は各自治体がマナーの悪い飼い主によるフン被害には頭を悩ませている。大阪・泉佐野市ではフンを放置した飼い主に過料を徴収できる条例に基づき、2013年に環境巡視員によって見つかった“現行犯”の男性が全国で初めて5000円を徴収され、ニュースになった。

 吉田市議は「名古屋市も条例で罰則をもうけているが、検挙・適用した事例はこれまでにない。罰則よりも、イエローカードならぬ“イエローチョーク”で市民のモラル向上が目指せたらいい。フンの見回りは保健課や自治会有志にお願いすることになるだろう。チョークにはそれほどお金もかからないし、雨が降れば流れて片付けもいらない」と効果に期待を込めている。