なぜ「体罰教師」をかばうのか?

2013年01月25日 11時00分

 部活の顧問が生徒の将来を握っていた!? 大阪市立桜宮高校バスケットボール部主将の男子生徒自殺問題で、橋下徹大阪市長(43)は22日、同校で既に体罰が判明しているバスケットボール部とバレーボール部以外にも、複数の部で顧問による体罰や暴言があったとの調査結果を明らかにした。一方で、体罰という名の暴力がはびこっていたことが明るみに出ても「先生を変えないで!」と訴える生徒たち。この高校はどうなっているのか? 関係者や専門家に話を聞いてみると――。

 橋下市長は「桜宮高では手を上げる指導方法が、正当化されている雰囲気がある。人事の刷新はどうしても必要だ」と強調した。しかし、生徒と保護者から強い抵抗が起きている。

 21日には、同校の元運動部キャプテンの在校生8人が、大阪市役所で「私たちの先生を奪わないで」「心に負った傷は深く、私たちを支えてくれるのは同じ傷を負った先生しかいない」「新しい先生に入れ替えては、亡くなった子の思いを帳消しにしてしまうように感じる」と涙ながらに会見した。

 なぜ、自らも体罰を受けていたであろう生徒たちが、ここまで教師をかばうのか。高校教育の実態や受験にまつわる様々なトラブルを調査している絶対合格有限会社の元大手進学塾講師は、こう語る。

「一般的な話ですが、長期にわたり強豪体育会系運動部の顧問をしている教師は入学、進学にかなりの力を持つんです。トップレベルじゃなく、そこそこのレベルであれば、寄付金などで下駄をはかせてもらうことがしばしばあります。さらに、その部に在籍したという実績で、就職や大学進学でも口利きしてもらえるというメリットがありますから。桜宮高のことではありませんが、スポーツ推薦での入学口利きで教師が裏金をもらうというのは、よくある話です」

 大学に入学させる力を持ち、さらに就職先にまでパイプを持つ強豪体育会系部活顧問の力は強大だという。そのような教師を異動させてしまうと、生徒と保護者だけではなく、有力選手を集められなくなり進学と就職実績が下がる学校側も困ってしまう。

 ちなみに問題の顧問は、同校に1994年から君臨し続けている。「公立では同じ学校に10年間勤務するのもまれ」といわれるにもかかわらずだ。
 実際、過去に同校の体育科を卒業したスポーツ選手は「勉強なんて一切してないですね。学校入るときも名前を書いただけ」と、笑い話として語った。

 また、同校の卒業生は「体育の先生は絶対的な権力を持っていた。大学、企業にも顔が利くから、先生に好かれるかどうかで進路も決まるから逆らえない。(大会の)成績もよかったから校長なんかも口出しできないって話を聞いたことがあります」と内部事情を明かす。

 一方で、同校の運動部員の3年生がツイッターで、運動部を引退したことと進学の大学先を明かしたプロフィルで、居酒屋にいる画像と「ほろ酔い」というコメントを公開。すぐに削除されたが、インターネットではこの画像とコメントは永遠に消えることはないだろう。

 桜宮高の闇は、想像以上に深そうだ。