旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡り、日本に適切な補償などの包括的解決を求めた国連人種差別撤廃委員会の勧告に対し、日本政府は昨年12月に「補償に関してはサンフランシスコ平和条約などにより解決済み」と回答していたことが31日、分かった。委員会が回答を公表した。ところが、そのサンフランシスコで、韓国はとてつもなく巧妙なやり方で、慰安婦問題を世界に喧伝しまくっている。

 同委員会は責任者を裁判にかけるようにも勧告したが、日本政府は「今からの具体的な検証は極めて困難」で、責任者追及も考えていないと指摘。一方で、慰安婦問題の解決に関する2015年の日韓合意に言及し「高齢の元慰安婦のためにも日韓両政府で協力し合意を実施していく」と強調した。慰安婦問題は11月の国連人権理事会の対日人権審査でも取り上げられる見通しだ。

 一方、大阪市と姉妹都市の米サンフランシスコ市にある従軍慰安婦問題を象徴する少女像を巡り、吉村洋文大阪市長(42)は30日、サンフランシスコ市長に会談を申し入れたと記者団に明らかにした。渡米して11月13日に会談する日程を提示したという。

 大阪市によると、サンフランシスコ市の地元の民間団体が9月、民有地に少女像を建て、10月中旬に民有地を市に寄贈。同市議会は11月中に像の維持費などの予算を議決する見通し。これが非常に小ずるいのだ。

 韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこう語る。

「これまで韓国系市民団体が欧米に慰安婦像を建てまくっていますが、実際は、公有地への建立の許可が下りず、在留韓国人施設など私有地に置くことがほとんどでした」

 たとえば、米デトロイト市の慰安婦像は韓国人文化会館前に建てられているし、カナダ・トロントの慰安婦像も韓国人会館の敷地内に設置されている。オーストラリアのストラスフィールド市では公有地に建つ寸前だったのを、在豪日本人団体の熱心な働きかけで阻止。すったもんだの末に隣のアシュフィールド市の親韓派の牧師のいる教会の駐車場に置かれている。

 こういった特殊な場所への設置では、一般の住民の認知度はいまひとつだが、「海外、それも欧米諸国に慰安婦少女像が建った」「世界中が日本の過去の蛮行に憤りを示している」という宣伝効果は満点だった。

 但馬氏は「しかし、今回のサンフランシスコでは私有地に建てたものを土地ごと自治体に寄贈するということで、これによって実質的に公有地に慰安婦像が建ったということになってしまいます。敵ながらよくもまあ、考えたものだと思います」と指摘する。

 サンフランシスコは近年、韓国系移住民の流入が激しく、名物だった日本人街“リトル・トーキョー”もハングルの看板に侵食され、実態はリトル・ソウルの様相を呈している。歌にも歌われた同地のチャイナタウンも中華料理店と韓国料理店が混在するありさまだ。

「アメリカに限らず、戦前からのいわゆるオールド華僑は政治的な活動はせず、現地人とのあつれきを起こさないというのを不文律としてきましたが、改革開放後やってきたニューカマーはその限りではありません。彼らはコリア系移民とも衝突が絶えませんが、こと反日となれば共闘を辞さないのです」と但馬氏。

 また、コリア系の反日拠点は韓国系キリスト教会だ。

「同じキリスト教徒ということで欧米では浸透しやすいのです。教会の奉仕活動を通しながら、地元住民に“日本の悪行”を触れ回っているという話をよく聞きます。地方議員や弁護士、教員にも韓国系は入り込み、反日で団結しています」(同)

 今年9月には、サンフランシスコ市議会が9月22日を「慰安婦の日」に制定する決議案を採択した。米国での韓流反日汚染は日本人が想像する以上に深刻なレベルにあると言えるだろう。