「さっきハローワークで若狭を見た」ネット上でそんな投稿も飛び交うほど、ネタ扱いされているのが、先の衆院選で落選した希望の党の若狭勝前議員(60)だ。小池百合子代表(65)の地盤である東京10区で出馬したものの“秒殺”。元東京地検特捜部副部長で小池氏の右腕は、比例復活もならず“ただの人”に…。

 若狭氏は29日のフジテレビ番組で、希望の党の衆院選比例代表の名簿順位を巡り、小池氏が自身に近い元防衛官僚の井上一徳氏(55)を優遇したとの見方を示した。元防衛相の小池氏に仕えた経験のある井上氏が比例近畿ブロックの名簿に単独2位登載されたことについて「防衛知識があるとの理由で2位にしたのだろう。優遇であるとは思う」と指摘した。

 井上氏は京都5区での惜敗率が30%台で復活当選した。3位には複数が並び、惜敗率が90%台ながら復活できない候補者がいた。

 今さらの「優遇」発言とは、情けなさも感じさせる。関係者によれば「希望の党への逆風が吹き荒れるまでは、当選どころか次の次の内閣の閣僚人事まで考えていた」というから、ショックは計り知れない。

 若狭氏は選挙後に出演した情報番組で「小池さんの排除発言で『引いた』という声が多かった。あれで風が変わった気がします」と恨み節。一部では希望の党の内幕を記した暴露本の出版オファーが殺到しているという情報もあるが、まずやるべきは“敗戦処理”だ。

 約3年間活動拠点としてきた議員事務所は退去。当選を見越して設立した政治塾「輝照塾」の講義は来年2月まで予定されているが、肝心の若狭氏に議員バッジがない以上、参加者から返金を求められることは確実だ。

 11月3日には母校・中央大学の学祭・白門祭で「未来を決める決断」というテーマで、90分間の講義を行う予定。「学生のあなたに将来を左右する決断の仕方について教えます」と告知されているが、誰よりも未来を見通せなかったのは若狭氏自身なのだから、なんとも皮肉なテーマだ。

 白門祭実行委員会事務局によると「現時点で若狭さんの方から『中止したい』という連絡はありません」とのこと。講義のテーマは選挙前に若狭氏がノリノリで決めたという。若狭事務所にも開催の有無について問い合わせたが、折り返しの連絡はなかった。

 中止の可能性は捨てきれないが、仮に開催を“強行”すれば、別の意味で盛り上がること必至。学生たちも若狭氏の背中を見て、学ぶことは大いにあるはずだ。