中国 したたかなネット逆利用

2013年01月21日 16時00分

 それでも中国政府はインターネットの力を恐れていない――!?“モノを言う新聞”として中国で人気の高い「南方週末」「新京報」の2紙が、中国共産党に社説を改ざんされた騒動で、あらためて注目されたのはネットの力だった。

 中でも中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」には「南方週末の死は中国の死だ」「国内総生産(GDP)が世界第2位でなくてもいいが、本当の話をする新聞は必要だ」と言論統制に反対する書き込みが次々と行われ、抗議デモのけん引役となった。

 現在では終息しているものの、この大きなうねりが拡大すれば、大衆がネットでデモを呼びかけ合い、チュニジアやエジプトなどの独裁政権を打倒したアラブの春の中国版も起こり得るかもしれない。だが、中国共産党はネットを脅威に感じていないという。中国メディア関係者の話。

「ネット上での政府批判はもう仕方がないと考えている。規制しても隠語で伝えようとするしね。それよりも今では利用しようとしているよ。例えば汚職や愛人を抱えている党員や問題人物を監視しているんだ。最近も微博で『この人の家には部屋がいくつもある』という書き込みをヒントに当局が捜査した」

 実際、中国共産党でマルクス・レーニン主義の研究を行う党中央編訳局の衣俊卿局長が「生活態度の問題」を理由に免職になったと中国メディアが17日に伝えた。同局の研究員の女性が衣氏との関係をつづった告発文をネット上に発表しており、女性との関係が問題視されたとみられる。

 ネットはいわば密告の役割を担っており、安易な規制は当局にとっても都合が悪いというわけだ。とはいえ、それでもネット発の大規模デモに発展する可能性は捨てきれない。

 しかし、前出の関係者は「中国とアラブの政治体制は全く異なるからね。いざとなったら、反日デモをあおってガス抜きさせればいい。それこそネットを使ってね。尖閣問題の時のデモも基本的には中国政府への不満だったんだから」と明かす。

 日本の隣人は何ともやっかいだ。