タイ・プミポン前国王「火葬指揮」を前に風俗嬢も喪服姿

2017年10月20日 08時00分

サムイ島の風俗嬢も黒服だが、笑顔

【アツいアジアから旬ネタ直送「亜細亜スポーツ」】さる13日はタイ・プミポン前国王(享年88)の一周忌だった。バンコク市内はじめ、タイ各地では追悼行事が行われ、テレビも王宮内での儀式の中継一色。この1年、丁重に安置されてきた遺体は26日に正式な火葬式を迎える。王宮前広場に1年かけて建設してきた火葬用の施設は既に完成しており、当日に向け、厳重警備が敷かれている。

 死去のときも国中が哀悼と自粛ムードで、様々なイベントが中止になるなどしたが、今月末も同じ。出張や観光、夜遊びでタイを訪れる観光客は、25~29日の国葬期間に注意すべきことがある。

 まず服装だ。公務員は13日から服喪期間に入り、黒い服を着用して勤務。一般国民も黒服姿が非常に目立ち、やはり外国人も黒っぽい服のほうが無難だ。観光客なら問題視されないが、服装で哀悼を表現することで、地元民から親しみを持たれるはずだ。

 派手な服だけでなく、赤と黄色は避けたい。タイではタクシン派と反タクシン派の対立が長年続いており、これには王室も絡んで政治的問題になっている。タクシン元首相派のイメージカラーが赤で、反タクシン派が黄色。服の色で政治的アピールしていると思われると、トラブルに巻き込まれる可能性がある。

 音楽関連イベントや大規模なパーティーは中止。南部のリゾートでは、満月の夜の名物「フルムーン・パーティー」が取りやめとなり、楽しみにしていた白人客が暴れる騒ぎがあった。また、ビーチ沿いのバーでも音楽は流していないため、それに抗議するかのように自分たちのスマホやタブレットで音楽を大音量で流す白人たちがおり、現地で問題になっている。

 風俗も自粛ムード。バンコクの日本人向け歓楽街・タニヤは酒の提供や呼び込みは禁止。営業しない店も多かった。ゴーゴーバーで有名なナナプラザやパッポンは全面休業。人気ビーチリゾート・パタヤも巨大ゴーゴーバー通り「ウオーキングストリート」は休業。南部のリゾートも軒並みネオンが消えた。休みを見越し、帰省する風俗嬢も増えそうだ。

 また酒が販売禁止になる可能性も。ミニバーのあるホテルなら大丈夫な場所もあるが、コンビニやレストランでは購入、注文できないかもしれない。

 前出の“赤と黄の対立”はこの1年、喪に服す意味で平穏を保ってきたが、喪が明けたら表面化するという予測がある。政権を握る軍部(反タクシン派)は、タクシン派が国葬を妨害する可能性があると警告し、注意を呼びかけている。26日の火葬日は「何かが起こるかも」といわれており、日本大使館も在留邦人に対し、不測の事態に気を付けるよう勧告している。  

☆室橋裕和(むろはし・ひろかず)=1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め周辺国も飛び回る。3年前に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。