高齢者に被害拡大!悪徳業者の押し売りならぬ「押し買い」の実態

2017年10月17日 07時30分

「不用品買い取ります」。このような営業電話がかかってきたり、チラシが投函されていることはないだろうか? 国民生活センターによると、「古着1枚からでも」などと不用品の買い取りをうたいながら、実は貴金属目当てで強引に宝石類を買い叩く悪質業者の被害相談が増えているという。背景には“断捨離”ブームや高齢者の“終活”があるというが――。

「不用品を買い取るというので家に来てもらったら、強引に貴金属を買い取られた」。高齢者からのこうした被害相談が後を絶たず、2016年には全国から約8700件の苦情が同センターに寄せられた。「古着や靴、かばん、何でも買い取ります」などとうたっているにもかかわらず、訪問購入の業者は依頼者が準備していた古着の山には目もくれず「貴金属はありませんか? 見せてもらうだけですから」などと言葉巧みに宝石類を出させ、結局は「この中でいらないものは、どれですか?」などと、半ば強引に購入していくという。なぜ、業者は「貴金属を売ってください」と最初から言わないのか。

 同センターの相談情報部によると「高価な物の売買は尻込みしてしまうからだろう。高齢者は“終活”準備で処分したい物はたくさん抱えているが、重くて近くのリサイクルショップに持っていくこともできず、訪問購入業者を選んでしまいがち」と指摘する。

 だが、古着などはほとんど引き取ってもらえず、たとえ値段が付いても二束三文だ。その上、業者が強引に買い取っていく貴金属類も「被害の7割が5万円以下で、0円(値段がつかない)の物も多く報告されているので、適正価格ではない可能性が高い。古物商の免許を取っているかも怪しく、会社らしい名前を名乗って契約書も交わさず、泥棒まがいのことをしている業者は、把握しているだけで全国で100以上あります」(同)。

 こうした強引な買い取りは、“押し売り”ならぬ“押し買い”。これらを規制する特定商取引に関する法律(特商法)では、当初の買い取りの対象とは別の物品の売却を求める勧誘方法は禁止事項に当たる。また、多くの業者がクーリングオフ(契約後の一定期間、解除できる制度)に関する説明をしていないが、特商法ではクーリングオフ期間内は物品を手元に置いておき、引き渡しを拒むことができるという。

 被害者のほとんどは高齢者。“終活”や“断捨離”という言葉が出てきた13年ごろから、如実に被害が拡大しているという。業者は隣県などから出張してくるので、効率よく一つの地域をシラミ潰しに回っているのか“町内荒らし”のようなこともやっている。

 同センターは「若い世代は自宅に業者を呼ぶことに抵抗があり、不用品は自分でネットで売却できるが、高齢者はそうしたすべがなく、業者の訪問にも、それほど抵抗がないため被害に遭いやすい。被害に遭ってしまったら国民生活センターに必ず相談してほしい」と呼びかけている。