小池知事「国政復帰」なら50億円損 単独都知事選濃厚で莫大経費

2017年09月28日 17時00分

前列左から細野、長島昭久、小池代表、若狭勝の各氏

 安倍晋三首相(63)は28日午後、衆院解散を断行し、その後の臨時閣議で政府は「10月10日公示―22日投開票」の衆院選日程を正式決定。選挙戦では、小池百合子東京都知事(65)が率いる新党「希望の党」の行方や、民進党を含む野党再編も注目される。その希望の党の結党会見が27日、都内のホテルで開かれた。野党連携がはまれば、初の女性首相の座も見える小池氏は、出馬を否定しつつも国政復帰へ色気を隠せない。しかしタイミングが悪い。もし都知事の座を投げ出せば、50億円以上の血税が吹き飛ぶことになるのだ。

 細野豪志元環境相(46)ら現職国会議員14人を従え、壇上の中央に立った小池氏は「しがらみのない政治、大胆な改革を築いていく。まさに日本をリセットするために党を立ち上げる」と宣言した。

 この日、小池氏と民進党の前原誠司代表(55)が26日に会談していたことが判明。複数の関係者が27日夜、明らかにしたところでは、前原氏は10月の衆院選に関し、党所属の衆院議員らを希望の党から立候補させる方針を固めた。民進党からの公認候補は認めず、現在の公認は取り消す。前原氏だけは無所属で出馬する意向だ。実現すれば事実上の合流となりそうだ。ただ、小池氏は公認対象を選別する考え。

 このような小池氏側の入念な選挙工作が明らかになればなるほど、国政復帰への観測が高まるのは無理もない。

 報道陣に対し、小池氏は「私は現在都知事。東京都政をさらに前に進めるためには国政を変えないといけない。希望の党代表としても進める」と改めて二足のワラジをはいていくことを強調したが、ちゃぶ台返しは小池氏の十八番。もはや信用できるものではない。

 小池氏に近い関係者はこう指摘する。

「次の衆院選は(任期満了なら)4年後で、五輪後に小池人気もどうなっているか分からない。今後の野党連携や情勢調査を見て、政権を取れると踏んだら、小池氏はあっさりと都政を捨て、国政に鞍替えするでしょう。現在は都議会が開会中ですので会期中に投げ出すことはないが、閉会後はどうなってもおかしくない。『都民ひいては国のため』とも言い始めていますから、それ以上の大義はない」

 都議会は5日閉会で、10日の衆院選公示ギリギリでの鞍替え表明なら、さらなるインパクトを呼び、衆院選で台風の目となれるというワケか。

 ただ、この小池氏の都合が優先されれば、選挙日程が大きく狂ってくる。

 都政関係者は「都知事選は(選挙活動期間が)17日間で衆院選より5日長い。都知事辞任から50日以内に行われるルールがあるが、周知期間や準備も必要で、10月になってからの辞任では衆院選と同じ10月22日投開票の日程には間に合わない。衆院選後にまた都知事選となるでしょう」と指摘する。

 選挙が行われるのは都知事選だけではない。

「小池氏は都民ファーストの会の都議数人を国政へ鞍替えさせようとしている。7月に当選したばかりの都議は1人区の場合、3か月以内に辞任となると次点候補が繰り上げ当選となる。10月3日以降の辞任ならば補選となるので都民ファとしては、もう1回補選した方が得策なので、こちらも辞任は閉会してからとなるでしょう」(同関係者)

 衆院選だけでも約600億円の費用がかかるが、同日に都知事選と都議選補選も行えば、費用は最小限で済む。ところが、10月5日の都議会閉会までは身動きがとれずに選挙も後日に繰り下げとなれば、都知事選で約50億円がかかる。複数の都議補選も行われれば、さらに人件費が膨れ上がる。

 都知事にせよ、都議にせよ、国政への鞍替えは都政投げ出しの批判を招くのは必至なだけに慎重な配慮が働くようだが、即断すれば、まだ同日開催の余地はあったところだ。余計な出費がかさむのは小池氏の口癖である「ワイズスペンディング」(賢い支出)とは程遠い。この日、都議会の一般質問中に傍聴席の男性が小池氏に「都政に集中しろ」とヤジを飛ばし、退場となったが、叫びたくなったのも無理はないところか。

 思い返せば、豊洲移転白紙に伴う業者への補償費や市場の維持費で既に100億円以上が支出された。仕掛けが大きい分、高くつくのが“小池劇場”とも言える。小池氏の判断はいかに――。