衆院選に向け、“離党ドミノ”が止まらない民進党の前原誠司代表(55)と、合流が噂された自由党の小沢一郎氏(75)の蜜月関係に暗雲が垂れ込めている。

 前原氏は安倍晋三首相が会見で表明した臨時国会冒頭の衆院解散を「森友、加計学園問題を追及されるのが嫌で、まさに『敵前逃亡解散』『自己保身解散』以外の何ものでもない」と厳しく批判。臨時国会を早期に召集し、徹底審議すべきだとした野党4党の要求を安倍首相は無視したとも強調した。

 しかし、党内では「前原氏は“言うだけ番長”に戻った。党代表としての資質が問われ始めた。選挙後に党分裂の危機に再び直面する」と皮肉な声が上がる。

 報道陣から「小沢氏との連携はいつ実現するのか」と質問されると、前原氏は「私自身、その報道に驚いた。小沢さんとは会って『どうしたら与党の議席を減らせるか』と意見は交換しているが…」と話す。

 本紙既報のように、民進党の衆院選に向けての“離党ドミノ”は、前代表だった蓮舫氏(49)の名前まで取りざたされるほど。今後も離党者が続出するとみられる。前原氏と小沢氏との連携は、なぜ前に進まないのか。

「小沢氏は前原氏の格差是正を目指す政策の中身に難色を示した。選挙に勝つためなら『選挙公約で消費税10%引き上げを先送りする内容じゃないとダメだ』とも小沢氏は主張したと言われる。前原氏は、共産党との選挙協力には消極的。党が保守とリベラルに分裂した後、小池氏の希望の党と連携したいのではないか」(民進党国会議員)

 このままでは、民進党は惨敗確実とみられる。永田町関係者は「衆院選は安倍・自民と小池・希望の一騎打ちムード。前原氏は民進党最後の代表になる可能性が高い」と指摘した。