金正恩VSトランプ舌戦では北が圧勝?根底に朝鮮民族の深い差別意識

2017年09月23日 17時00分

金正恩氏(朝鮮通信=ロイター)

 北朝鮮と米国のチキンレースが止まらない。悪口合戦はエスカレートし、北朝鮮は太平洋上での水爆実験の可能性まで言及した。いよいよ宣戦布告レベルの“ののしり合い”にもなってきた。

 トランプ大統領(71)が19日、国連で金正恩朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」呼ばわりし、正恩氏は21日、初めて直々の声明でトランプ大統領を「米国の老いぼれの狂人を必ず火で罰するであろう」とバッサリ。

 さらに「史上最高の超強硬な対応措置の断行を慎重に検討する」とした。この超強硬の対応措置について北朝鮮の李容浩外相は21日、「太平洋上の水爆実験ではないか」と話している。

 挑発合戦はエスカレートする一方だが、こと口喧嘩に関しては、北朝鮮は無類の強さを誇る。米空母カール・ビンソンを「太って肥大したただの変態動物」、ヒラリー・クリントン元国務長官を「闇市のババア」、朴槿恵前韓国大統領を「尾っぽのない老いぼれの気の狂った雌犬」、李明博元韓国大統領を「酢を盗み飲みしたようなしかめっ面のネズミ」など、ひどい表現で罵倒してきた。

 北朝鮮を徹底分析した本「金正恩の黒幕はアメリカだった」の構成と解説などを担当した文筆人の但馬オサム氏はこう語る。

「朝鮮語(韓国では韓国語)は日本語に翻訳不可能な言葉があるほどに、罵倒語、侮蔑語の語彙が多彩です。口喧嘩では、アメリカは勝てないでしょう」と指摘する。

 たとえば、日本人に対する侮蔑語で代表的なのは、「ウェノム(倭奴)」と「チョッパリ」。チョッパリの語源は「ブタの蹄」で、これは日本人が履く足袋からの発想だそうだ。

 正恩氏の祖父となる金日成主席が韓国の朴槿恵大統領の父・朴正熙大統領を差別用語で侮蔑していたのは有名な話だ。
「あらゆる階級の解放をうたう社会主義のボスからしてこうなのです。朝鮮民族の差別意識の根の深さが分かるでしょう」(同)

 正恩氏の“超強硬”声明後、トランプ大統領はツイッターに「国民を飢えさせ、殺すことを気にも留めない狂った男はかつてない試練を受けることになる」とも書き込んだ。北朝鮮の悪口でトランプ大統領がキレて手を出してしまわないか心配だ。