金正恩の“高笑い”が聞こえる? 足並み揃わぬ北への制裁強化

2017年09月16日 17時00分

 北朝鮮が15日朝、首都平壌から弾道ミサイルを発射し、8月末の発射に続き再び北海道上空を通過させた件では、飛距離が約1000キロ延びて過去最長の約3700キロとなり、米軍要衝グアムを射程に収める飛行能力を誇示した。日本政府は前回と同じ中距離「火星12」の可能性が高いとみて分析を続け、米国と連携して北朝鮮に対する圧力を強める方針だ。

 国連安全保障理事会は15日午後3時(日本時間16日午前4時)に非公開の緊急会合を開催。各国に石油の輸出制限などの制裁を速やかに履行するよう求める報道声明をまとめたが、安保理は北朝鮮への制裁を11日に強化したばかり。これに対抗する形でミサイルを発射した北朝鮮は核・ミサイル開発を緩める気配を見せておらず、打てる手は限られている。

 別所浩郎国連大使は会合終了後「北朝鮮が政策を変えるまでは、圧力をかけ続ける必要がある」と話した。

 安保理は3日に核実験を実施した北朝鮮に対し、11日に初めて石油の供給を制限する制裁強化を決議。北朝鮮が輸入できる石油精製品や原油に上限を定めた。経済的な後ろ盾となっている中国やロシアの反対で全面禁輸は見送られた。

「対話による解決を重視する中・ロはこれ以上の制裁強化には反対するだろう。さらに他の安保理理事国の間でも、石油の供給制限が北朝鮮の一般市民の生活に影響を及ぼす事態を懸念する声は大きく、今回のミサイル発射で全面禁輸で合意する可能性は低い」(外交専門家)

 プーチン大統領は15日、フランスのマクロン大統領と電話会談し、ミサイルを発射した北朝鮮の「挑発的行動」を強く非難。国連安全保障理事会の決議に違反し「地域の平和にとって深刻な脅威だ」との認識を共有した。緊張激化は「取り返しのつかない結果」を招きかねないと懸念を表明した。

「ただ、ロシアは制裁よりも北朝鮮と直接対話を再開し、政治・外交的に問題解決を図るのが第一と考えており、制裁強化にも賛同しない可能性が高い」(同)と言い、北朝鮮の高笑いが聞こえてきそうだ。