イスラム国戦闘員に日本人妻?AP報道の波紋と信ぴょう性

2017年09月13日 17時30分

 過激派組織イスラム国(IS)から投降した戦闘員家族の中に「日本人とみられる女性がいた」とAP通信が報じ、波紋を広げている。

 AP通信によれば、先月、IS掃討作戦を展開しているイラク軍が北部タルアファルを制圧した際、IS戦闘員の外国人妻や子供など約1300人が投降し、避難民キャンプに収容された。収容者の国籍は多岐にわたり、多くは中央アジアやロシアだが、中には韓国や日本人もいたという。在イラク日本大使館では「日本人がいたとする確たる情報には接していない」として、確認作業を進めている。

 これまでも日本人とISの関係は取り沙汰されてきた。ISはネット上で戦闘員を募集し、3年前には田母神俊雄元航空幕僚長(69)がイスラエル当局者からの情報として「ISに日本人が9人いる」とブログに書き込んだ。直後には北海道大学の男子学生がIS加入を計画し、私戦予備・陰謀の疑いで事情聴取され、昨年もIS入りを志願していた20代男性がシリア国境地帯で拘束され、国外退去処分となった。

 IS事情に詳しいジャーナリストの常岡浩介氏はこう指摘する。

「2年前にアルジェリア系フランス人の夫を持つ日本人女性がISに入ったとの話があったが、女性の友人によると『シリアでボランティアをしているだけ。デマを流され困っている』とのことだった。先月にはイラクで『この子は日本人だ』という幼児が保護されたというがその後、連れ去られたとの話や、ISが支配するモスル大学に日本人が入学書類を出したとの現地報道もあった。日本人がISにいるとの噂は以前からあるが、いずれも確認されておらず、デマだらけともいえる」

 ただ、困難とされるシリア入りは国境線が混乱しているため、容易に侵入できるのが実態。

「女性が投降したタルアファルに以前から住んでいたというのは考えにくく、IS戦闘員の妻だった可能性はあるでしょう。ただ、大幹部の妻だったらまだしも(一戦闘員の妻だから)投降したのでしょう」(常岡氏)

 女性が日本国籍者なら強制帰国となる。夫がIS戦闘員なら不測の事態に備え、公安警察の厳しい監視下に置かれることになりそうだ。