成長知らずに育った新成人は「クラゲ型」

2013年01月14日 11時00分

 1日時点で20歳の新成人が122万人(男性63万人、女性59万人)を数えた。新成人が生まれた1992年から93年といえば新幹線「のぞみ」が登場し、任天堂から「スーパーマリオカート」が発売され、尾崎豊さんが死去。米国を目指した「風船おじさん」が消息を絶ったのも同年だ。

 

 本紙でおなじみのコラムニスト石原壮一郎氏は、今年の新成人を「クラゲ型」と呼ぶ。

 

「“戦争を知らない子供たち”にかけて“成長を知らない子供たち”世代です。戦後やバブル期の好景気を知らず、ゆとり教育で競争を知らないので、目標が現状維持と小さくまとまりがち。ただ浮いているクラゲみたいなものです」

 

 物心がついたときにはパソコンやケータイが身近にあったため「空気を読んだ適切な会話で、なんとなく仲良くする能力にたけているが、女性を奪い合ったり、傷つく関係は避け無難な付き合いしかできない。物も情報も氾濫した世の中では能動的になれず、競争心が薄いため本気の出し方が分からないのです」。

 

 この競争心の薄さは成長過程で、駆けっこに順位がつかず、大学全入時代といった時代の背景もあるが、この世代が社会に出て選びがちな職種は意外にもベンチャー業だという。ただ、「大企業で這い上がる競争社会に身を置きたくないため、自分ひとりで起業して大儲けせずとも食べていけるだけ稼ぐのが目標」とややスケールは小さい。さらに「起業の幻想を思い知らされた多くの起業家は20代半ばで早期リタイアして30代以降を余生として送るのでは」とも推測する。

 

 新成人を対象にした恋人の有無の調査では男子で8割、女子で7割が「恋人はいない」と回答した調査結果もある。また別の調査では「友達がいない」と新成人の1割以上が答えている。石原氏は「クラゲのように個々が近くをプカプカ浮いているだけで一定距離を保ったままくっつくことがないのです」。なんとなくつかみどころがないのも特徴の一つだという。