数年前に、2歳にして1日40本のたばこを吸うことで世界の注目を集めたインドネシアの男児が、9歳になり禁煙に成功した。英国の大衆紙「サン(電子版)」が4日に報じた。

 インドネシアのスマトラ島にある村で暮らすアルディ・リザルくんは2歳のころ、オシメをつけておもちゃの車に乗りながらたばこを吸っていることで有名になり、その姿を収めた写真と映像は世界中の人々を驚かせた。

 たばこを吸い始めたのは、父親が吸っていたたばこをアルディくんに与えたことがきっかけという。2歳にして1日に40本を吸うアルディくんに対し、母親のダイアナさんは、幼い息子が死んでしまうのでは?と心配して禁煙指導を開始。

 だが、たばこを取り上げるとかんしゃくを起こすアルディくんに、かなり手を焼いた。ダイアナさんは「彼はたばこが吸えないと、壁に頭を打ち付けたり、クレージーになり、自傷行為に走っていた」と当時を振り返った。アルディくんにとっても禁煙は大変きつかったようで「たばこを吸わないと、口が酸っぱくなり、めまいがした」という。

 喫煙量が減り始めると、今度は過食に走った。1日にコンデンスミルク3缶を飲み、ファストフードを食べる毎日となり、一時期は5歳にして22キロと平均体重をはるかに上回るペースで増量。その後、インドネシア政府や栄養士の支援を受けつつ、鮮魚、果物、野菜を食べて体重を減らし、健康的な体重まで落とすことに成功した。

 喫煙と減量に成功したアルディくんは現在、勉学に励む小学4年生。

「僕は今、ハッピーだ。物事により熱心に取り組めるようになり、元気もいっぱいだ」と毎日の生活を楽しんでいるようだ。