ミサイル乱発する北朝鮮に「撃たせない戦略」とは

2017年08月30日 17時00分

朝鮮中央通信が公開した29日のミサイル発射とみられる写真(ロイター)

 29日に北海道上空を通過した北朝鮮のミサイルは、「火星12」と30日に発表され、同国は「成功」としている。北朝鮮の弾道ミサイル発射は今年13回目。いつ“誤射”があり、陸地に着弾しないとも限らない恐怖の中、日本人は生きなければならない。「日朝、もし戦えば」などの著作がある防衛問題に詳しい警鐘作家の濱野成秋氏が今後、日本が整えるべき防衛態勢について緊急寄稿した。

【警鐘作家・濱野成秋氏が特別寄稿】襟裳岬は外国か? れっきとした日本だろ。次回は東京湾にミサイルが飛んでくるぞ。そのときJアラートなる携帯ブザーだけで、済ますのか。

 日本は世界最強の帝国陸海軍をなくして、一つ大いに賢くなったことがある。それは戦後、非戦国で通し抜いたことだ。言い換えれば、背後に軍隊なくグローバリズムで世界中に打って出て、廃虚からまたアジア一の繁栄国になれたことだ。

 だが、戦後生まれの日本の民衆も政府も、戦争の止め方、開戦をストップして、上手に非戦国を継続する方法を知らない。戦争に至らぬ外交戦略があれば満州事変、日中戦争、真珠湾と、全部やらずに済んだのに、やってしまった。その反省が今もってできていない。だから北を扱いかねているのだ。

 現在ある日本の防衛コンセプトは、残念ながら幼稚だ。北のミサイルはハエ、迎撃ミサイルはハエ叩き。どっちが強力か、日本人は考えてもみない。だからこんなふざけた防衛論が成り立つ。本物のハエとハエ叩きなら、ハエ叩きの方が強い。だが「火星12型ミサイル」と迎撃ミサイルでは、逆。時速2000キロで落下してくるミサイルにたかだか時速600キロで舞い上がってもカスリもしない。かくて日本の中規模都市が一つ、原爆炸裂で灰になる。やられてから、「ああ、迎撃に失敗した」で済ませられるのか?

 報復防衛策なくして、第2、第3の原爆が落ちてくる。迎撃ミサイルなど、安易すぎる。戦争はゲームにあらず、悲惨、慟哭、苦渋、餓鬼の連鎖だけ。日本人には現在、これを回避する知恵がない。付き合えば、話の分かる人たちも多かろうに、今、北の人々は当面の敵だ。だから「隣人愛外交」を展開しなさい。戦意にはやる北朝鮮に魔よけのお札のごとく「専守防衛」を示して何になるか。

 日本国憲法は平時の治安状態が良好なときに機能する約束事であって、もはや国家が存続するか否か、瀬戸際になってまで手かせ足かせになるものではない。第13条で保障された「生命、自由、幸福の追求」を実現するために、国の存続が危ぶまれたら、国際条約を優先してこそ、憲法の理念である。

 同盟国アメリカも国際連合も平和大国日本は大事な国だ。「2+2」(日本は外務大臣及び防衛大臣、米国は国務長官及び国防長官)協議で、「安保条約」第5条にある武力攻撃に関する解釈を拡大することも可能なのである。「防衛解釈」もこの協議で「共通の危険に対する」ものと解釈して、核を含めた報復手段の拡大確認は可能である。

「専守防衛」というコンセプトの中に「報復防衛」を投入することによって、日本は北のミサイル攻撃から救われる。

 こちらが攻撃していないのに、勝手に向こうからミサイル核攻撃された場合、国連が認めた安保の協議どおり、自動的に同等以上の「報復防衛」をもって敵地を殲滅することになる。

 この一項目を国連を通じて世界中に知らしめ、北にも国連を通じて告知しておく。それをせねば、日本本土は2度、3度、4度の核攻撃に甘んじ、果ては日本は根性のない国だとバカにされ、何千兆円という賠償金を払わされ、超債務国にされて破産する。これが発想力貧弱な「専守防衛」が醸し出した「本土決戦」の哀れな末路である。

 日本は日米安保でたっぷり「思いやり予算」をアメリカに差し上げている。だから「報復防衛」に必要なミサイル、核弾頭、空母、潜水艦をデバイスだけでなく、技術要員まで全部リース契約しておき、本土攻撃を食らった数分後には、このリース契約どおり、アメリカ軍の洋上空母などから報復防衛を実施する。この条件を付設して「専守防衛」を成り立たせ、普段は平和主義を維持してグローバルな繁栄に寄与する。それなら大いに結構である。