自衛隊「総火演」の目玉は離島奪回

2017年08月29日 09時00分

 陸上自衛隊による日本最大規模の実弾演習「富士総合火力演習(総火演)」が27日、静岡県御殿場市で開催された。隊員約2400人、戦車・重装甲車約80両、戦闘機を含む航空機約20機などが参加。約2時間で消費実弾約36トン(約2億9000万円相当)。高度な技術と圧倒的な火力、新たに配備される“秘密兵器”も一般公開した。「行けば自衛隊を好きになってしまう」イベントとも言われ、人気が毎年うなぎ上りの演習だ。

 すっかりプラチナチケット化した総火演の観覧席を狙うファンの応募総数は15万361通(約29倍)。自由席最前列を狙おうと前日からの“徹夜組”も少なくない。

 自衛隊関係者は「撃たれた砲弾を炸裂させて富士山の形を作るのは総火演おなじみで人気が高い。また、戦車の急旋回急発進や移動しながらの射撃も見応えがある」と説明する。

 非常に緻密な計算が要求される芸当だが、今回も陸自は背後の富士山をスケッチブック代わりに、火炎による「富士山マーク」を見事作り上げた。様々な戦車が1キロ以上も離れた的に命中させるたび、観客の歓声を呼ぶ。

 本演習では、敵に占拠された離島を奪回する想定で、陸海空3自衛隊が統合作戦を行う様子を公開した。実戦に即した訓練をすることで、即応力を高める狙いがある。

 南西諸島への攻撃に備える水陸機動団の主力装備である水陸両用車(AAV)など2017年度末に新設予定の“秘密兵器”が披露されると、ミリオタはカメラに火を噴かせんばかりにシャッターを切る。

 すべての演習が終わったときには初参加の観客が興奮冷めやらぬ顔で「すごかった」と声を揃える。逆に、殺傷能力のある武力を目の当たりにすることで「怖くて考えさせられるものがあった」(30代女性)と語る人もいた。

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