特別支援学校“罰走”で生徒重体 部活動での常態化疑惑も浮上

2017年08月26日 17時00分

同学園で掲げていた体罰ゼロ宣言があきれる(ホームページから)

 東京都教育庁は25日、知的障害特別支援学校の都立永福学園(杉並区)で、23日に部活動で罰走させられていた男子生徒(15)が熱中症で倒れ、意識不明の状態と発表した。「行き過ぎた体罰があった」としているが、その内容は鬼そのものだった。

 生徒は知的障害があり、高等部就業技術科1年に在籍していた。バスケットボール部に所属し、23日午後3時ごろ、顧問の男子教員(31)が生徒7人に対し、1周450メートルある校舎外周を1分25秒以内で走るよう指示を出した。

 倒れた生徒は普段、1分50秒台で走っていたといい、タイム設定は無謀だった。さらに達成できなかった際のペナルティーとして、ノルマの1分25秒から1秒遅れるごとに1周走るという内容だった。

 生徒のタイムは2分8秒で、43秒遅れ。すると顧問は、直後に43周(約19・4キロ)の罰走を命じ、生徒は21周(約9・5キロ)を走ったところで体調不良を訴え、この日は打ち切りとなった。

 すると2日後に部活動が始まると生徒は消化していなかった22周を自ら走ることを志願したという。時間は午後3時過ぎで、30度を超える炎天下。生徒は罰走を再スタートしたが、約1時間後に顧問らが目を離した際に自転車置き場付近で倒れ、救急搬送された。25日時点で自発呼吸できずに意識不明の重体という。

 事故後、都側の事情聴取に対し、顧問や指導に当たっていた男子教員(33)は行き過ぎたペナルティーとは当初、認識していなかったという。都教育指導庁担当者は「士気を高めるために少しハードルの高い課題を与えたというが、やり過ぎ。当該生徒は運動したいが、もともとの基礎体力がなかった」と話した。

 罰走は今回が初めてだったというが、設定したノルマから常態化していた疑念も残る。体育会系強豪校で体罰が問題となるが、特別支援学校でのスパルタ指導に関係者のショックは大きい。