ベランダもダメ…ホタル族絶滅か

2013年01月13日 11時00分

 家族に迷惑を掛けないようにとベランダでたばこを吸っていた男性が、上の階の住人に「受動喫煙で健康を害した」と訴えられ、裁判で負けた。マンションや団地のベランダに生息するホタル族が絶滅の危機に直面する一方、今やほとんどの場所が禁煙になった都内では、有料喫煙所なるビジネスまで誕生した。

 先月13日付の判決によると、名古屋市の原告女性(74)はマンション5階、男性(61)は4階に居住。ぜんそくの持病があった女性は2010年4月ごろから、男性にベランダでの喫煙をやめるよう求めた。男性はこれに応じず、女性は体調が悪化したとして、11年11月に150万円の損害賠償を求める訴訟を起こしていた。裁判は原告の言い分を認め、男性に5万円の支払いを命じた。

 近年では、02年に健康増進法が制定され、その後神奈川県や兵庫県で受動喫煙防止条例が定められるなど、分煙化が進んでいる。そのため、喫煙スペースが一気に縮小、“喫煙難民”も現れている。

「マンションのベランダが禁煙なので、たばこを吸うためにエレベーターに乗って外に出なければいけない」「オフィスが禁煙になったが、喫煙所がビル内にない。路上喫煙も禁止されているので、駅前の喫煙スペースまで行く」

 こんな悲哀が多くの喫煙者から聞かれるなか、昨年7月には、都内3か所に1回の使用料50円の有料喫煙所「ippuku」が登場した。
 同所を運営するゼネラルファンデックス社の日根野聰弥氏は「規制は、いつの間にか喫煙所を減らすことが目的になってしまっている。規制と分煙環境の整備のバランスが崩れている」と現状を分析。有料喫煙所の利用者数は「微増ではあるが、着実に増えており、ニーズがあることは実感している」と日根野氏。

 同社には非喫煙者からも「もっと設置してほしい」と要望が届くという。たばこ問題の解決は果たしていつになるのか。