挑発合戦沈静化もぶり返し必至 米朝チキンレースの行方は…

2017年08月16日 17時30分

 米領グアム周辺へのミサイル発射計画を表明していた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、15日までに「愚かな米国の行動をもう少し見守る」とトーンダウン。一方、マティス米国防長官(66)とティラーソン米国務長官(65)は14日付の「ウォールストリート・ジャーナル」紙に「北朝鮮が挑発をやめれば対話の意思がある」とこちらも軟化した。

 正恩氏は14日に約2週間ぶりに姿を見せ、朝鮮人民軍戦略軍司令部を視察。グアムや日本の地図を前に「米国が朝鮮半島周辺で危険な妄動を続けるなら既に宣言した通り、重大な決断を下す」と強がったかに見えたが「もう少し見守る」と事実上、グアム発射計画を凍結させた。

 トランプ米大統領(71)は「軍事的に対応する準備は整っている」とヒートアップしたままで、15日、電話会談した安倍晋三首相(62)は「(トランプ氏の対応を)高く評価する」と支持したが、マティス氏とティラーソン氏が寄稿したように、軍トップは既に外交的解決を目指す方針を最優先と切り替えている。

「北朝鮮は米軍に全面攻撃を仕掛けられたらひとたまりもないが、一番大きいのは国連安全保障理事会の制裁決議を中国が履行したことです。北朝鮮は石炭や海産物など中国が最大の輸出国だが、禁じられたことで外貨を稼げなくなる。裏ルートで完全に輸出禁止とはならないでしょうが、着実に金王朝は干上がっていくでしょう」(軍事関係者)

 毎度、繰り返される挑発合戦は一時沈静化するが、21日から行われる米韓合同軍事演習で再び北朝鮮がなんらかのアクションを仕掛けてくるのは必至。ミサイル発射実験か核実験か、また新たな地へのミサイル発射計画か――。米朝のチキンレースに終わりはまだ見えない。