ずさんすぎた「体罰」調査

2013年01月11日 10時00分

行政の大失態と怒った橋下市長

 大阪市立桜宮高2年の男子生徒(17=当時)が昨年12月下旬に自殺していた問題で、同校のずさんな調査内容がわかってきた。市教育委員会によると、生徒は全国レベルの強豪バスケットボール部の主将で、顧問の保健体育の男性教諭(47)から体罰を受けていたと手紙に書き残していた。自殺前日にも教諭から体罰を受けていた。

 同校の卒業生は「いつか問題になると思っていた」と話した。教諭がビンタなどの体罰をしていたことは有名だった。そのため、匿名の公益通報制度で、市教委に市民からの訴えがあり同校は調査を行ってはいたが…。

 体罰調査が行われたのは一昨年。内容は校長による教諭に対する聞き取りのみだった。市教委は「調査のやり方などは全て校長に任せていた。校長は全教諭に聞き取りを行って『ありません』という報告を教育委員会にした」と説明する。

 発端となった市民の通報は「体格の良い男性教師が子供たちに体罰を加えており、それを見ている子供たちまでもが、つらがり、おびえてしまっている」と指摘。にもかかわらず、生徒に対しては一切調査を行っていなかった。

 昨年4月に校長が代わったが、体罰問題については十分な引き継ぎをしていなかった。「そのときは十分な調査だと思っていた。調査をもう少ししていれば…」(市教委)というが、昨年12月27日に行った生徒への調査では、教諭について部員50人のうち48人が体罰の事実を知っており、自分が体罰を受けたとした部員も21人いた。

 この問題では9日、男子生徒の手紙に「ほかの部員が同じプレーをしても怒られないが、キャプテンの僕だったらきつく怒られる」という内容の記述があったことが分かった。市教委が明らかにした。手紙は教諭あてだったが、生徒は手紙を渡す前に自殺した。市教委は、生徒が自分に体罰が集中する理不尽さを苦に自殺した可能性もあるとみて調べている。教諭は市教委に対し「気合を入れる意味があった」などと釈明しているという。