【横浜市長選】林文子氏3選で「横浜カジノ誘致着手」というが…

2017年07月31日 17時30分

菅官房長官(左)、神奈川県の黒岩知事(右)に囲まれ笑顔の林市長

 横浜市長選が30日に投開票され、自公推薦の現職・林文子氏(71)が3選を果たした。林氏は、選挙中に封印していたカジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)誘致にさっそく意欲満々。誘致の仕掛け人で衆院選挙区が横浜の菅義偉官房長官(68)もおひざ元での勝利でホッとひと安心。ハマのカジノ構想が現実味を帯びてきたが…。

 カジノ誘致の是非が争点になった横浜市長選だが、推進派の林氏は選挙期間中、カジノについてはほとんど触れなかった。対立候補の元市議伊藤大貴氏(39)と元衆院議員の長島一由氏(50)は徹底的にカジノ反対を訴えた。

 なぜ林氏は堂々とカジノ誘致を公約に掲げなかったのか? 今年1月に“横浜のドン”といわれる横浜港運協会の藤木幸夫会長(86)が突如、カジノ誘致反対を表明した。地元市政関係者は「横浜のカジノ誘致は菅官房長官の肝いりで、推し進めていた。ところが誘致を巡って、菅氏と藤木氏の間でひと悶着あったようで、林氏もカジノ誘致を凍結せざるを得なかった」。

 再選を受け、林氏はカジノ誘致アピールを解禁。「こつこつと子育てや教育、介護もやっていくが、ダイナミックな経済政策が必要な時が来ている。前向きに打って出たい。行政は同じことを繰り返し安全な道しか選ばない」と意欲を見せた。

 駆けつけた菅氏も「圧倒的な差で勝ったことにホッとしている。市長(林氏)は選挙に出馬する記者会見で『(IR誘致を)検討していきたい』ということを言っていて、今も言われたということで、そういう方向で流れを見ながら」と話した。

 前出の地元市政関係者は「横浜での誘致候補先は中華街と山下公園に近く、ベイブリッジを望める山下ふ頭です。京浜急行電鉄は本社をみなとみらい地区に移転し、カジノシフトを敷き、大手広告代理店も動いている。菅氏は今後、藤木氏の顔は立てつつもカジノ誘致に力を入れてくるのは間違いない」と指摘する。

 ただ、すんなりと横浜に誘致となるかは不透明だ。秋の臨時国会でIR実施法案が成立する見込みで、来年から全国の自治体で誘致合戦が本格的に始まる。

「当面は2~3か所で運用される見込みで、2025年の大阪万博とのセットで誘致している大阪府、市がほぼ決まりとの見方です。横浜は“官房長官案件”で有力とみられていますが、IRは単に人が集まるところや交通アクセスがいい場所に造ればいいという簡単なものではない」(IR業界関係者)

 さらに林氏が今回の選挙戦でとった煮え切らない態度が今後の障壁となるという。「カジノ誘致には地元自治体トップの意向はもちろんだが、地元の理解がなによりも大事。それが争点隠しをしていては、話にならない」(前同)

 市長選は事実上、信任投票の形となり、林氏の圧勝だったが、共同通信社の出口調査ではカジノ誘致の反対が61・5%で、賛成の16・3%を大きく上回った。「カジノ反対派が多いことは感じている。私自身は今、ギャンブル依存症を研究しており、検証していく」(林氏)

“横浜ありき”の政治主導でカジノ誘致すれば、それこそ加計学園問題の二の舞いにもなりかねない。ハマのカジノは、トントン拍子とはいかない雲行きだ。