“第2の軍艦島”で注目「池島」マニア心くすぐる魅力

2017年07月27日 17時00分

“廃虚の島”として知られた長崎県の軍艦島は、世界遺産の構成遺産の一つに選ばれ、多くの観光客が訪れる名所になったが、同県に“第2の軍艦島”と注目される島がある。軍艦島と同様に離島の元炭鉱で、21世紀初頭まで操業していた池島だ。

 出炭が始まったのは戦後の1959年(昭和34年)と新しい。閉山は2001年で、翌年からは炭鉱技術を学ぶ「長崎炭鉱技術研修センター」として外国からの研修生を迎え入れていた。

 その池島の価値に気づき、著作「池島全景」で400枚以上の写真を使って魅力を解説しているのが「軍艦島伝道師」でもある黒沢永紀氏。早くから軍艦島の魅力を発信していた「オープロジェクト」の一員でもある同氏は軍艦島とは違う池島の魅力をこう解説する。

「軍艦島は閉山後、産廃業者などの誘致を計画し設備を撤去したため、炭鉱らしい施設は残っていません。ところが、池島には竪坑櫓はもちろん、選炭場、出荷するための貯炭場、石炭を船に積むためのシップローダーなども残っている。さらに本物の人車に乗って坑道内に入り、当時の採掘機器を見るツアーもあります。炭鉱を知るための施設が多く残されている」

 軍艦島ツアーでは近寄れない炭鉱住宅や繁華街も池島には残され、近くから見ることができる。ただし「劣化を危惧して撤去されたものもあります」と、この状態がずっと続く保証はない。

「長崎には離島の炭鉱がいくつもありましたが、ここまで当時の姿を残しているものは他にありません。20世紀の途中まで、日本のエネルギー産業を支えてきたのは石炭。しかも国内で生産されるものでほとんどをまかなっていた。石油など輸入に頼るばかりの今だからこそ、池島のような炭鉱施設を残し、そんな時代があったことを後世の日本人に伝えたい。『日本遺産』として、魅力と価値を内外に発信していくべきだと思います」と黒沢氏は訴えている。

 夏休みは軍艦島だけでなく池島にも足を延ばしてみては。