身近な動物にも忍び寄る“殺人ダニ”の危険

2017年07月27日 09時00分

“殺人ダニ”の危険が身近な動物にも忍び寄っている。厚労省がこのほど発表したのは、マダニが媒介する感染症に感染した猫にかまれた女性が死亡していた事実だった。

 亡くなったのは西日本に住む50代の女性で、昨年夏ごろ、弱った野良猫を保護し、病院に連れて行こうとした際に手をかまれた。女性はSFTS(=重症熱性血小板減少症候群)を発症し、約10日後に死亡した。SFTSで、哺乳類を介して人が死亡したのは世界で初めてだという。

 SFTSはウイルスを持つマダニにかまれて発症するもので、国内ではこれまでに266人の患者が報告され、うち57人が死亡。致死率は21%にも上る。6日から2週間ほどの潜伏期間を経て、発熱や吐き気などの症状が表れ、重症化すると死亡するケースがある。

 SFTSは人が直接マダニにかまれて発症することがほとんどだが、今回、身近な猫を通して感染。野良猫や“地域猫”は住宅街や繁華街でも見られるが、厚労省はこう注意喚起している。

「SFTSは空気感染することはないので過剰に心配する必要はありません。しかし、見るからに元気がなく、体調不良の猫はウイルスが体内に増えている可能性もあるので、むやみに近づかないほうがいいでしょう」

 大切なペットにSFTS感染の危険はないのか。「屋内のみで飼育している猫などは感染の可能性はまずないでしょう。しかし、屋内と屋外を行き来している猫や、外を散歩する犬などではSFTSの感染例が報告されています」(同)

 屋外に出るペットを守るのも重要だ。「ダニの駆除を徹底すること。専用の薬を使う、ペットが散歩や屋外から帰ってきた際は丁寧に体のダニを取ってあげる、目の細かいくしでといてあげるなどがよいでしょう」(同)

 屋外に出るペットとの過剰な触れ合いを避けることも感染を防ぐ方法の一つだ。

「口移しでエサを与えたり、同じ布団で寝るなどの濃厚な触れ合いはあらゆる感染病の原因となり得るので避けるべきです」と同省は呼びかけている。