新テスト案発表 専門家が語る「本物の実力養成教育」

2017年07月12日 09時00分

 文部科学省は10日、2020年度以降に現行の大学入試センター試験の後継で新たに実施する「大学入学共通テスト」の実施方針案を同省の検討会議で示し、了承された。英語で「読む、聞く、話す、書く」の4技能を評価するため民間検定試験を活用。23年度まで共通テストと併存させ、24年度から民間に全面移行する。1990年のセンター試験開始以来の一大転換となる。早稲田大、一橋大、京都外語大、日本女子大などで大学教授歴が約40年ある警鐘作家、濱野成秋氏はセンター試験の問題点をこう指摘する。

「国立は多教科、私立は少数。数学もできる東大文科一類。だから秀才や? そう思われて1世紀半。現実はどうなのだ? 多教科型の秀才たちが続々大臣や官僚に。だが、この能力判定法、ロクな結果を得ていない。多教科ならぬ他教科に、少年少女の脳細胞が侵され邪魔され、ぐちゃぐちゃに壊れた頭脳ばかりが、やたら目立つ」

 センター試験のように、多教科型で選別されると、どのような問題があるのか。

 濱野氏は「一つの課題に集中する能力がサッパリない。なぜいろいろな教科ができるのかといえば、一点に集中する取捨選択能力がないから同列に扱えるだけなのだ。そこには命題に突っ込んで洞察するエネルギーが伴わない。関心が分散しているから、事の重大性が判定できず、是か否か、その差異感覚も欠落する。政治のような専門職にはとうてい御し難い頭脳になる。現代政治の有為転変に多教科並列型頭脳では、まったく対応能力ゼロになる」と続ける。
 今回の新テストの改革は学生の能力向上につながるのか。

 濱野氏は「一次試験はTOEFL(国際基準の英語能力測定試験)だけでいい。二次ではプレゼンをやらせる。白板いっぱいにキーワードを書いて、英語で論理の展開をやらせ、弁舌を競わせる。私は早稲田の政経で生徒を相手にこの方式で何年もやってきた。文句のあるやつは英語で言いたいだけ言え! 白板に地図や数字やキーワードをいっぱい書けよ! それがポイントだ!とハッパをかけたら、そいつら、本気でやりおった。これが本物の英語の実力養成教育だと確信している」と提言した。