ロンドンで高層ビル大火災 日本のタワーマンションは大丈夫か

2017年06月15日 17時00分

 英国ロンドン西部の24階建てのタワーマンションで14日未明(日本時間同日午前)に火災が発生し、死者12人、負傷者78人が出る大惨事となった。マンション全体が燃える大規模火災で、消防隊も全く手が出ない状況だった。タワマンや超高層ビルがひしめく日本でもあり得る火災なのか?

 現場となったグレンフェル・タワーは1974年に建てられた。火災は午前1時前後に低層階で発生した模様。120室あり400~600人が居住し、就寝中のため取り残された人も多かったと報じられている。飛び降りたり、幼児を窓から投げた人も。防火体制に不備があったとの怒りも渦巻いているという。

 建物は昨年、大規模改修工事が行われたばかりだが、火災報知機が作動していなかったとの証言もある。元東京消防庁消防官で防災アナリストの金子富夫氏は「外装材や内装材が防火規制(をクリアしたもの)でないものであれば、全棟に延焼する大火災は当たり前に発生する。当局の規制がかなりズサンだったのでしょう」と指摘する。

 日本でもタワマンの建設ラッシュで、超高層ビルも各都市で建てられている。大規模火災が起こる可能性はないのか?

「日本は建築基準法や消防法で防火規制が厳しく、不燃性の壁や建材、カーテン等を使用しなければならないほか防火区画やスプリンクラーの設置が義務付けられている。燃えたとしてもせいぜい一部屋が燃える程度でしょう」(金子氏)

 ただ過信は禁物だという。

「建物そのものが消防的には大丈夫でも居住者が室内に家具や燃えやすい物を置いていれば、延焼する危険はある。また大規模地震が発生した際には消防活動も追いつかなくなる」(金子氏)

 タワマンや超高層ビルで火災が起きた場合の弱点は、はしご車での消火が届かないことだ。東京消防庁では、はしご車のはしごが伸びる最大は40メートル。一般的に高さ60メートル以上は超高層ビルに定義されるが、下からの“チョロ水”か、もしくは全く届かないことになる。

 また非常扉や防火扉の前に荷物が置かれ、作動せずに火災が広がった例はごまんとある。

「東京、大阪など超高層ビルが乱立している環境で、消火には100メートル、200メートル級のはしご車、ドローン消火など新たな体制が必要となってくる。日本にとっても肝に銘じてほしい火災です」(金子氏)

 ロンドンの火災は、やはり“対岸の火事”と軽視はできない。