被害急増「電子マネー詐欺」摘発の難しさ

2017年06月01日 08時00分

 ネット通販「アマゾン」ギフト券などの電子マネーを不正に買わされ、被害に遭うケースが全国で相次いでいる。

 三重県志摩市で5月28日、「有料動画の閲覧履歴が発生している」という内容のメールを受け取った40代の女性が、指示された通りにアマゾンギフト券を購入し、券のID番号を教えて5万円をだまし取られた。19日には三重県菰野町の20代の男性が同様の手口で合計90万円をだまし取られた。同様の電子マネー詐欺は全国で多発しており、年間1000件を超える。

 従来の振り込め詐欺は銀行口座への振り込みを指示するものがほとんどだったが、その後、現金を宅配便で送らせる手口、近年は電子マネーを不正にだまし取る手口に変わってきている。振り込め詐欺ではターゲットは高齢者が多かったが、電子マネー詐欺では20~30代の若い世代が被害に遭うのが特徴という。

 詐欺研究家の野島茂朗氏は「電子マネー詐欺が増加している理由は、転売がしやすく、現金を引き出す“出し子”が必要なく、足がつきにくいから。警察はアナログですから、転売先がネット上だと捜査がしにくい。また、電子マネーは一件の被害額は少額ですから、コストパフォーマンスの悪い捜査になるので動きにくい」と指摘する。

 アダルトサイトの閲覧やサイトの登録費などをかたるものは従来もあったが、電子マネー詐欺は支払い方法に特徴がある。被害者にコンビニでギフト券を購入するよう指示。ギフト番号を撮影させ、メールで送らせる。不正取得されたギフト番号はインターネット上で転売されるという仕組みだ。

「ギフト券を実際に使用するのは、詐欺師ではなく、間接的に転売された無関係の第三者。そこからたどって詐欺犯を特定するのはかなり難しい」と野島氏はみている。

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