3週連続でミサイル発射の北朝鮮 日本「迎撃システム」の問題点とは

2017年05月30日 17時00分

 北朝鮮が3週連続となる弾道ミサイル発射を29日、強行した。「連発的措置」(朝鮮労働党機関紙、労働新聞)でミサイル能力を誇示し、米国の対応変化を迫る構えとみられ、今後も発射を続けるとの観測が出ている。3週連続は異例の頻度で、朝鮮半島周辺で緊張状態を持続させ、米国や日韓を揺さぶろうとの思惑がうかがえる。

 日本には迎撃ミサイルとして、イージス艦から発射し大気圏外で撃ち落とす「SM3」と、地上から発射し大気圏内で撃ち落とすパトリオットミサイル「PAC3」がある。日本は北朝鮮のミサイルを迎撃できるのか。

 防衛問題に詳しい警鐘作家の濱野成秋氏は「いざミサイルが来るとなって迎撃ミサイルを慌てて発射しても遅すぎる。着弾直前のコースを自衛隊用語では『ターミナル・フェーズ』と呼ぶが、その落下速度は時速3000キロだから、発射直後の迎撃ミサイルが時速500キロ程度でヒョロヒョロ上がっても当たるはずがない」と指摘する。

 パトリオットは性能が悪いことで有名だという。また、イージス艦は沖合にいるから、どの弾道ミサイルが公海上に落ちるか、排他水域か、本土直撃か判定できないため、結局、迎撃性能が良い割には使われたためしがない。しかも、北朝鮮が発射するミサイルは1発とは限らない。同時に何十発も発射できる。その一発一発が…。

「ミサイルには1発だけの弾頭をつけてぶち込んで来るものと思い込んでいるが、それは違う。上空ではじけ飛ぶクラスター爆弾に似て数キロ上空ではじけ四散し、それぞれが推力を得て拡散し近隣都市上空で次々と炸裂する可能性もある。これは国際法で禁止ではなく、拡散前の確認が困難。現在の北の技術力は優秀で、この複数搭載方式を採るはず。となれば日本の迎撃能力をはるかに超えるから、手の施しようがない」と濱野氏。

 さらに、迎撃プロセスはまず発射地域や落下予想地域、その予想時間を米軍が調べて空自に通知され、空自がJADGE(自動警戒管制システム)をオンして待機という間接的な経路だ。

「伝わるだけでも時間を食うのに、日本には迎撃してよいか否か、自衛隊法の76条、82条、88条および武力攻撃事態法に照らし合わせて誤認を避ける必要がある」(同)

 迎撃は難しそうだ。