学校法人「森友学園」(大阪市)が大阪府豊中市に建設していた小学校の建設工事を請け負っていた「藤原工業」(大阪府吹田市)は3日、同学園前理事長の籠池泰典氏(64)の自宅の土地、建物を仮差し押さえし、損害賠償などを請求する訴訟を起こす方針を明かした。

 藤原工業によると、追加の工事費やゴミの処理費用を含めると、工事費総額は約19億4000万円に上る。当初の工事費約15億円について、籠池氏側から半額を「私学助成金」で支払うと説明を受けたが、私学助成金という名目の補助金が存在しないことを知ったという。これまでに約4億5000万円を受け取ったものの、債権のうち3億円はすでに支払期限が過ぎているという。

 同社は学園が運営する「塚本幼稚園」の土地と建物、系列保育園の土地も仮差し押さえしていたが、先月31日付で籠池氏の自宅の仮差し押さえも認められた。学園側の代理人弁護士は「現時点で具体的なコメントは控えたい」とした。

 自宅の価値はいかほどのものなのか。近隣住民は「(籠池氏の自宅は)だいたい60坪ほど。この辺りの地価は坪80万~90万円くらいだから、ザックリ見積もって5000万円くらい」と明かす。

 だが、地元の不動産関係者によると、籠池氏の自宅は奥まった場所にあり、幅2メートルほどの通路で道路と接しているため資産価値は下がるという。また、建物についても築年数がたっており、ほぼゼロとみられる。

 また幼稚園も「坪単価は100万円弱です」(不動産関係者)とのことで、資産価値は数億円にとどまるとみられる。

 この状況に、地元住民は「いよいよ籠池さんも破産やな」とつぶやいたが、はたして籠池氏は億単位の債務を支払うことができるのだろうか。