籠池氏の証人喚問が終わったのもつかの間、与野党は森友学園への国有地払い下げ問題で、当事者だった迫田英典国税庁長官(当時=財務省理財局長)と、武内良樹財務省国際局長(当時=近畿財務局長)の2人を24日の参院予算委員会に参考人招致することを決定した。真相究明に動きだした一方、籠池劇場の“終演”は間近だ。

 証人喚問ではこれまでの籠池氏や学園側の言動を巡って、矛盾点が追及された。なかでも明らかにクロとされるのが契約書の偽造疑惑だ。小学校の建設費で国には約23億、大阪空港には約15億、大阪府には約7億円の3つの契約書が提出され、助成金引き上げや財務状況を良くしようとした疑惑が持たれている。

 籠池氏は喚問で「手続き上の便宜から設計士の助言に従って工事請負契約書が3種類作成された」と弁明、謝罪したが、各議員から突っ込まれると「刑事訴追を受ける可能性がありますので、控える」を繰り返し“貝”になった。

 また、安倍首相から許可を得ないで「安倍晋三記念小学校」名で寄付金を募っていた時期についても発言が二転三転。証人喚問後の同日夜、日本外国特派員協会で開いた会見で「頭の中で混乱があって、訂正したい」と釈明する場面もあった。学園のホームページにある天皇陛下が訪れたかのような記載も修正するという。

 与党関係者は「籠池氏がいかにウソをつき、信ぴょう性がないかが浮き彫りとなった。寄付金募集は詐欺に問われてもおかしくない話。24日の予算委でも籠池氏の矛盾を暴く新たな証拠が出される」と指摘する。

 籠池氏が逮捕されるのは時間の問題とみられている。永田町関係者は「身を引っ張られるとすれば、建設費でニセの金額を提出した私文書偽造や、塚本幼稚園の補助金不正受給などでしょう。証人喚問での偽証罪では、政府が露骨に“口止め”したと映るのでないでしょうか」と話し、来週中にも逮捕劇となってもおかしくないという。

 籠池氏が逮捕されれば、一連の疑惑も闇の中となりかねない。

「与党としては証人喚問まで行ったとアリバイができたし、籠池氏に主犯と名指しされた松井一郎大阪府知事も願ったりの展開でしょう」(同)

 籠池氏は「私が告発されるということは考えていません」と身の潔白を主張したが、Xデーは刻一刻と迫っている。