追及不発…石原百条委の“裏主役”マック赤坂氏「出禁にせよ」の声

2017年03月21日 17時00分

石原氏の証人喚問でマック氏が退場した

 築地市場の豊洲移転の経緯を明らかにするため都議会に設置された百条委員会で20日、石原慎太郎元都知事(84)が大放言した一方、マック赤坂氏(68)が都議会から出禁寸前に追い込まれた。石原氏は脳梗塞の後遺症で「すべての字を忘れた」と冒頭からビックリ発言。その半面、文明論を熱く語るなど石原節を炸裂させた。マック氏も体を張った退場騒動で注目を浴びたが、都議会関係者は「マックを出禁にしろという意見が多い」と警告した。

 開会直後、傍聴席からピンク色のマック氏が何かを叫び、桜井浩之委員長(51)から注意を受けた。宣誓書にサインしていた石原氏は「何があったんだ?」と目を白黒。昨年の都知事選などに出馬したマック氏といえば、都議会本会議をよく訪れ、開会直後にひと言もの申すのが恒例行事となっていた。

 しかし、この日はそれで終わらなかった。石原氏が豊洲の現状について「小池都知事は、安心と安全がこんがらがっている。風評に科学が負けるのは国家の恥だと専門家も言っている。小池氏はすみやかに豊洲移転を決断すべきだ」と述べた直後のことだ。ある傍聴人が「原発が安全と言っているのと同じだよ」と批判。これに「俺たちが主役なんだ!」と呼応したマック氏が2度目ということでレッドカードを出されてしまった。

 マック氏は「なぜ納税者が退場させられるのか。税金を無駄遣いしている人が退場すべきだ。納税者のためにならない都議会なんていらない」と言いながら、係員に連れ出された。

 もっとも、退場になって傍聴できなくても構わないくらい百条委に中身はなかった。

 石原氏は冒頭から「2年前の脳梗塞の後遺症がいまだにある。海馬という記憶を埋蔵している箱がうまく開かない。すべての字を忘れた。ひらがなさえも。記憶が出ないことは、ご了承してください」と断り、その通り「覚えていない」を連発した。

 豊洲移転を裁可した責任は認めたものの、汚染された土地を購入した件については、浜渦武生元副知事(69)に「すべて一任していました」と丸投げの実態を証言。問題になっている豊洲の地下水から有害物質が検出されている件にも「地下水で床の掃除や魚を洗うわけじゃない」「使わない地下水なら捨てたらいい」と、自身が地下水の基準を設定したにもかかわらず言い放った。

 石原氏の声は弱々しかったが、時々声を荒らげる慎太郎節は健在。

「安心安全の話は文明論だ。科学と心の相克がある限りこの問題は終わらない。我々は全能ではない。それを踏まえた上で折り合いを考える。せっかく建設した市場を都民のために活用すべきだ」と持論を述べた。

 さらに、部下に任せきりだったことを怠慢と指摘されると「怠慢と思っていない。週に3、4日しか登庁していないといわれたが、SPを連れて東京中を歩いた。渋谷の路上でドラッグを売っている実態をつかんで、(指示して)取り締まった」と遠山の金さんばりの武勇伝を語った。

 百条委を受けて小池百合子都知事(64)は報道陣の取材に応じて「(新事実は)あまり出なかった」と失望。やはり退場で傍聴できなくなってもよかった内容ではないか。

 ただ、都議らからは「マックを都議会出禁にしろ!」と怒りの声が上がっているという。都議会の委員会傍聴規則によると、銃器や拡声器、プラカードなどを持っている人物の傍聴を拒否できると同時に、「その他議事を妨害することを疑うに足りる顕著な事情が認められる者」も拒否できるとある。マック氏は不規則発言の常習犯で当てはまりそうだ。

 都議会関係者は「過去に特定の人物を出禁にした例はない。都議会は公開が原則なので、マックさんだけ駄目ですというのは厳しい」と都議と規則の間で苦慮している。マック氏にならえば「納税者を出禁にするとは何事だ」ということか。

 なんにせよ注目度だけが先行した百条委となった。