ヤマト運輸 地獄の配達環境改善に必要な「あのサービス」

2017年03月08日 17時30分

 宅配便最大手の「ヤマト運輸」が7日、個人向けを含め宅配運賃の全面的な値上げを検討していることを明らかにした。

 全面的な値上げは消費税の引き上げを除くと、1990年以来、27年ぶり。ネット通販の急増により、深刻なドライバー不足などに陥っている。

 ヤマトは大手通販サイト「アマゾン」の配送を安く請け負っており、ドライバー1人当たりの配達件数は桁違い。同社の元従業員が“地獄の労働環境”を明かす。

「一日に100軒以上の配達は当たり前。繁忙期には一日200軒以上の時も…。1軒当たり5分で届けても16時間かかる。決められた時間内に仕事が終わることは、まずない。完全にシステムは破綻している」と話す。

 それなのに取り扱い個数は右肩上がり。ヤマト運輸は昨年4月から今年2月までの11か月間の累計で、17億1226万個に達したと発表。そのうち、届け先不在による再配達は約2割にのぼる。

「再配達にかかったコストはドライバー負担。配達すれば配達するほど損をする計算になる。しかも過酷な労働の割に、ドライバーの給料は安い。『それなら転職した方がマシ』と、辞めていく人が続出している」(同)

 かつては肉体派で爽やかなイメージから「ヤマト男子」と女性にもてはやされた時期もあったが、それも昔の話。元従業員は「年収は400万円以下だし、周りが言っているだけで、女性関係でオイシイ思いなんて、したことがないですよ」とグチる。

 ヤマトは7日からアマゾンなどの大口顧客と運賃の値上げ交渉に入った。今秋にも新料金を実施したい考えで、再配達の有料化も予想される。料金面以外では、配達時間の見直しに着手。正午から午後2時の時間帯を廃止し、ドライバーの昼食時間に充てるというが…。

「待遇面を改善するのは良いことだが、抜本的な解決にはならない。“ドローン宅配便”を前倒しして実現しないと、人手不足が解消されることはない」とは関係者。

 ようやく重い腰を上げ、運賃改訂に乗り出したヤマトだが、すでに手遅れかもしれない…。