北朝鮮のミサイル発射は“炎上商法”

2017年03月09日 10時00分

 北朝鮮は7日、前日に発射した4発の弾道ミサイルの動画を公開した。「在日米軍を標的にした訓練」と公表した狙いとその精度は?

 動画には、車輪のついた移動式ランチャーから4発の弾道ミサイルが、ほぼ同時に空へと放たれる様子が収められている。スカッドミサイルの改良型「スカッドER」とみられ、金正恩朝鮮労働党委員長は「曲芸飛行のように、同じ姿勢で飛んでいった」と称賛した。米韓合同軍事演習時の北朝鮮によるミサイル発射は毎度のことだが、今回は「在日米軍を標的にする訓練」と発表。これまでも朝鮮半島有事の際、在日米軍施設がある横須賀、佐世保、岩国、三沢基地などに、北朝鮮が攻撃を仕掛けてくるのは想定されてきたが、初めて「在日米軍」と言明した。拓殖大学客員研究員で元韓国国防省北朝鮮分析官の高永チョル氏は「ミサイル発射は、合同演習へのけん制と同時に、国際武器見本市への広報の狙いもある。1987年から2009年まで、開発途上国に輸出されたミサイル1200基中、北朝鮮のものが510基と約4割を占め、ロシア、中国を上回る。スカッド弾道ミサイルは外貨獲得のドル箱なんです」と指摘する。

 金正男氏殺害を巡って、国際社会から非難を浴びている北朝鮮。“対米軍”と銘打ったミサイル発射で、さらなる窮地に追い込まれているかに見えるが、もはや“炎上商法”ともいえるわけだ。

 一方、ミサイルの性能はどうなのか?

 ミサイルが日本へ向けて発射された場合、到達まで8分前後とみられる。日本の弾道ミサイル防衛システムはイージス艦搭載の迎撃ミサイル「SM3」と、地対空誘導弾「パトリオット3」の2種類だが、今回のように複数弾が同時飛来した場合は迎撃が困難とみられている。

 もっとも、在日米軍施設を狙ったミサイルがその通りに飛んでくるとは限らない。飛距離が伸びれば伸びるほど、誤差が大きく出てくるといわれる。「ピンポイントでは届かないでしょう。数キロはずれてくる」(高氏)

 横須賀基地を狙ったつもりが、逗子や横浜に着弾してもおかしくないといい、政権同様、全く計算できないようだ。