「龍神」名乗る祈祷師裁判は大荒れ!「俺は平清盛の末裔」と叫び1分で退廷

2017年03月07日 17時30分

「龍神」を名乗り、1型糖尿病を患う小学2年の今井駿くん(7=当時)へのインスリン投与を中止させて死なせたとして、殺人罪に問われた自称祈祷師・近藤弘治被告(62)の初公判が6日、宇都宮地裁で開かれた。

 起訴状によると、近藤被告は駿くんの両親から相談を受け、インスリンを投与しなければ死亡する危険性があると知りながら、2015年4月ごろ、両親に投与中止を指示。同27日に衰弱死させた疑いが持たれている。

 駿くんは毎日複数回のインスリン注射が必要な体だったが、近藤被告は「腹の中に死に神がいるからインスリンでは治らない」と力説。横にした駿くんの周りをローソクで囲い、足や腹などをさすりながら「死に神退散!」と唱えたり、ハンバーガーや栄養ドリンクを摂取するよう勧めたという。

 両親はインスリン注射を痛がる息子がふびんで、近藤被告に言われるがままに…。これまで約420万円を報酬として支払っている。

 裁判の争点は近藤被告に殺意があったかどうか。しかし、本題に入る前に法廷は大荒れの展開となった。入廷した同被告は謎の資料を大量に持ち込み、それを証言台の上に置き、残りを長イスのところに置くよう刑務官に指示したという。

 裁判員入廷後、同被告は「開廷前にひと言…」とお願い。裁判長に制止されると「冤罪だ!」と絶叫し、氏名や住所を答え終わると「まずはこれを出させてください」と先ほどの資料を手に持ち、アピール。裁判長は「勝手な発言を禁止します」とピシャリ。逆上した近藤被告は「この資料の中に真実が入っているんだ」とまくし立て、裁判長から退廷を命じられた。開廷からわずか1分足らずの出来事だった。

 連行される同被告はなおも「八百長裁判長!」と連呼し「俺は平清盛の末裔だぞ!」と叫びながら法廷を後にした。

 被告不在のまま再開された裁判で検察側は「インスリンを投与しなければ被害者が死亡する危険性を認識していた。助けるには被告の指示に従うしかないと、両親に思わせていた」と指摘。

 弁護側は「近藤被告は治療が正しいと信じていた」と殺意を否認した。

 両親は保護責任者遺棄致死容疑で書類送検され、すでに起訴猶予処分となっている。