安倍晋三首相は10日午後(日本時間11日未明)、トランプ米大統領とホワイトハウスで初めて首脳会談し、日米の経済関係強化のため、貿易・投資分野などで幅広く協議する閣僚枠組みを新設することで合意した。両首脳は、日米同盟を一層強化する決意を確認したとの共同声明を作成。沖縄・尖閣諸島については、米国の防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象であると確認した。

 首相は会談後の共同記者会見で、閣僚枠組みについて「麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領の間で協議を行う」と表明。通商政策に関し、中国を念頭に「アジア太平洋地域に自由で公正なマーケットをつくり上げていく」と述べた。

 トランプ氏は、日米同盟はアジア太平洋地域安定の「礎石」だと強調。尖閣を念頭に「日本の施政下にある全ての領域」の安全保障に責任を持つと明言した。「両国に利益をもたらす自由で公正、互恵的な貿易関係を目指す」とも語った。

 また、首相は年内の日本公式訪問を招請し、トランプ氏は受け入れた。

 一方、両首脳は共通の趣味であるゴルフの話題を織り交ぜて親密さを演出する場面もあった。会談の際に、トランプ氏は首相の手の甲を軽くたたいた後に「とても強い手をしている」と自らゴルフのスイングをするしぐさをして称賛した。首相は会談後の共同記者会見で「私の腕前は、大統領にかなわない」と持ち上げた。

 会見で首相はゴルフの格言も持ち出し「私のポリシーは『ネバーアップ、ネバーイン』(カップに届かなければ決して入らない)。刻むという言葉は私の辞書にはない」と話し、笑いを誘った。トランプ氏は「これから一緒に(ゴルフをする)フロリダに行きましょう」と和やかに締めくくった。