日韓合意が韓国側からちゃぶ台返しされそうになっている。慰安婦像がどんどん増え続け、日韓問題がこじれ続けている。そんな中、韓国の中学校、高校で来年から導入される国定歴史教科書では、慰安婦について「日本軍に集団殺害されたりもした」という記述が付け加えられるという。もちろん根拠はないが、専門家によると、あまりに“トンデモ”な事情が浮かび上がった。

 韓国教育省は先月、2018年度から使用される中高の国定歴史教科書の内容を発表した。これまでも慰安婦が「劣悪な環境下」で働かされていたため、「疾病」「自殺」で亡くなる人が多かったという内容だった。新たに「集団虐殺」が加わった。

 韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこう反論する。

「慰安婦を集団虐殺したなどというのはもちろん事実に反しますし、いわゆる元慰安婦の証言にもありませんでした。では、どこから出てきた話か。2016年、韓国で大ヒットした慰安婦映画『鬼郷』にそのようなシーンが出てきます」

「鬼郷」では、脱走しようとした少女慰安婦たちを野原に引き出し銃殺するシーンがある。死体は穴の中に蹴落としガソリンをかけて燃やしてしまう。他にも日本軍によるとする残虐シーンのオンパレードで、劇場公開では若い観客からは悲鳴が上がったほどだという。

 但馬氏は「慰安婦集団虐殺の元ネタはこの映画であることは間違いありません。この作品の監督は、これは慰安婦の証言に基づいた事実の映画化だとする一方、創作にいたる動機を『日本政府は慰安婦強制連行の証拠はないと言っている。ならば、証拠になる映画を作ってやろうと思った』とも言っています。韓国人にとって“証拠”とは見つけ出すものでなく、作り出すものだと白状しているようなものです」と指摘する。

 まさか映画で描かれた内容が教科書に盛り込まれるとは信じがたい。

「驚くことに、韓国では、こと反日に関しては、フィクションが“史実”となって、教科書にまで載ってしまうのです。しかも日本人が残酷、凶悪に描かれていればいるほど“史実”になりやすい」(同)

 なぜ、そんな信じがたいことがまかり通るのか。

「韓国は、反日教という国民宗教によって、政治、司法、言論が牛耳られているのです。その教義(歴史観)に反するものはすべて異端なのです。韓国の公式の歴史観では、韓国は日本帝国主義の侵略により文化、財産、土地、あらゆるものが収奪され、人民は塗炭の苦しみにあえいだ、ということになっています」(同)

 小説や映画どころか教科書でさえ、親日的記述は許されないどころか、日本を絶対悪に描かねばいけないようだ。