高級リゾートだけじゃない!シンガポール闇カジノのアツさ

2017年01月21日 09時00分

怪しげなネオンきらめくゲイラン

【アツいアジアから旬ネタ直送「亜細亜スポーツ」】通称「カジノ法案」が強行採決された。国がイメージしているのは、アジアだとマカオやシンガポール。どちらもカジノが観光業の起爆剤で、その売上高は世界1、2位を争う。

 今やシンガポールのランドマークになっている総合リゾート「マリーナベイ・サンズ」は世界最大のカジノで知られ、500以上のカジノテーブルと1600以上のスロットが並ぶ。1泊最低4万円の超高級ホテルもあり、高さ200メートルの屋上にある“世界で最も高いプール”が有名。

 街並みも美しく高度に発展し、東京をしのぐとも言われるシンガポールだが、「実は闇カジノのような場所がある。しかも一般の旅行者でも飛び込みで遊べる」と耳打ちするのは、現地駐在3年の金融関係者だ。

 賭場があるのは、シンガポール東部のゲイランと呼ばれるエリア。地下鉄アルジュニード駅を降りると、清潔で整ったシンガポールの印象とはかけ離れ、雑多で汚れた街並み。出稼ぎの外国人労働者がたむろし、たばこの吸い殻やゴミがポイポイ捨ててある。

 このエリアのロロン(小道の意)16を入ると、路上で堂々とギャンブルが行われていて、黒山の人だかり。大きなテーブルで張られているのは「大小」というバクチで、3つのサイコロの出目を予想する。目の合計が10以下なら小、11以上なら大で、この大小に賭けて当たると倍返しというシンプルさが人気。ほか細かく出目を予想しさらに高配当を狙う手もある。

「賭場を仕切ってるのは、ものすごい入れ墨をした、どう見てもマフィアの下っ端。違法という意識はあるようで、『警察じゃねえよな?』とまず言われる。スマホを手にしただけで隠し撮りを疑われ、胸ぐらをつかまれたことも」と駐在員。

 大陸からの中国人観光客は「途方もない額を賭けて場を荒らすので」お断りらしいが、日本人は歓迎される。チップなどはなく、現ナマをそのまま張っていくスタイル。客の興奮も上品なカジノの比ではなく、アツい。

「この熱気にやられると、マリーナベイ・サンズなんて子供の遊びに思えてしまう。ハマってる日本人駐在員は多く、誰もが知ってる有名商社の社員も毎晩のようにここで張ってるよ」(同)

 ゲイランは治安が悪いぶん物価が安く、低価格のホテルが軒を連ねる。最近は、ガラの悪い街並みをおびえたように歩く日本人女性をよく目にするとか。ホテル予約サイトで料金だけ見て、周辺の状況を調べず部屋を決めてしまうのも考えものだ。

☆室橋裕和(むろはし・ひろかず)=1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め周辺国も飛び回る。3年前に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。