福を求めて参拝一番乗りを目指す新春の恒例行事「開門神事福男選び」が10日早朝、商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社・西宮神社(兵庫県西宮市)で行われた。

 十日えびすにあわせて行われる開門神事。開門の午前6時には表大門に約5000人が集まり、くじ引きに当選した258人が一番福を目指して境内を疾走した。

 見事一番福に輝いたのは 神奈川県川崎市の鈴木隆司さん(21=専修大学3年生)。二番福には兵庫県三田市の渡部涼さん(24=川西市消防本部)、三番福には地元・西宮市の小野陽之さん(はるゆき、16=兵庫県立西宮南高校1年)が選ばれた。

 開門神事初挑戦の鈴木さんは、中学生のころ、陸上部に所属。「最近は、全く運動をしていなかったので、最後のところが心配でした」と言いながらも、50メートルを6秒5で走り抜ける走力と、くじ番号5番という“絶好枠”を見事に生かして一番福をゲット。「素直にうれしいです。絶対に3番以内に入るぞという気持ちで全力で走りました」と笑みを見せた。

 中学時代、岩手県大船渡市にいた鈴木さんは、東日本大震災を経験。3日間ほど小学校の体育館などで避難所生活も送ったという。福男になり福を授ける立場になったことで「僕は中学生の時に東日本大震災を経験しているので、今年1年被災がなく、皆さん安全にしていける年になれば」と話した。

 一方で、「今年は大学4年生になるので、就職活動がうまく行くようになればいいな」と一番福の効果に期待を寄せた。ちなみに目標とする職業は「小学校のころから飛行機が好きで、大学になってからも、羽田空港でアルバイトもしていたので、パイロットになりたいです」。

 また現在、彼女はいないそうで「募集したいですね」とはにかんだ。