親友の国政介入問題により韓国の国会で朴槿恵大統領(64)の弾劾案が可決され、同大統領が職務停止になってからやがて1か月。“味方”のはずで、最も次期大統領に近い国連の潘基文前事務総長(72)に裏金疑惑が報道されている。

 潘氏に近い関係者は4日、潘氏が過去に計23万ドル(約2700万円)の裏金を受け取ったとの韓国誌の報道は「事実無根だ」として、報道をめぐる紛争を扱う言論仲裁委員会に訴えた。これを報じた聯合ニュースによると、潘氏側は「大統領選候補に対する検証と称した妨害報道には、今後も強力に対応する」とメディア側をけん制。この動きには、潘氏の大統領選に向けた地ならしとの見方も出ている。裏金報道は昨年12月、韓国の週刊誌「時事ジャーナル」が掲載。潘氏が閣僚在任中の2005年と事務総長就任直後の07年、実業家から裏金を受け取ったと伝えた。潘氏が疑惑を払拭できなければ、ピンチなのが朴氏だ。

「潘氏は与党・セヌリ党に近く、朴氏とも親しい間柄。仮に朴氏が罷免されれば、一連の国政介入問題で逮捕は確実。その時、潘氏が次期大統領ならば、恩赦などの“温情措置”を講じてくれると期待していたのです」(韓国事情に詳しいライター)

 朴氏が恐れているのは塀の中にブチ込まれること。野党は朴氏の即刻辞任と徹底捜査を求めているが、自分と親しい潘氏ならば“情け”をかけてくれると考えていたようだが…。

「このところの潘氏は大統領選を見据えてか、セヌリ党と距離を置いている。この変わり身はさすが。計算が狂った朴氏は気が気じゃないでしょうね」(同)

 裏金疑惑に加え、潘氏自身の政治手腕を疑問視する声も増えている。欧米メディアは同氏を「歴代最悪の国連事務総長」とやゆ。在任中の主立った功績はゼロで、英語のスピーチもままならないほどだった。

「韓国国内には潘氏を英雄扱いする人もいるが、若者たちはすっかり能力を見透かしている。潘氏の朴氏批判に『おまえが言うな!』とツッコミが相次いでいる」とはテレビ関係者。いつまで国民は振り回されるのか…。