初競り7420万円高額落札も豊洲市場移転延期で来年どうなる?

2017年01月06日 07時00分

マグロを前に軽くガッツポーズの木村社長

 すしざんまいが“6連覇”――。東京・築地市場で5日朝、マグロの初競りが行われ、212キロの青森県大間産クロマグロをすしチェーン「すしざんまい」を運営する喜代村が7420万円で競り落とした。同社による最高額の競り落としは2012年から6年連続。昨年(200キロ)の1400万円から約5倍の高額落札は、記録のある1999年以降で2番目となった。本来なら築地での初競りは昨年で終わりだったが、豊洲市場への移転が延期されたことで今年も引き続き実施された。来年はどうなるのか。

 本来なら昨年11月7日の開場を予定していた豊洲新市場で行われるはずだったマグロの初競り。同年夏に就任した小池百合子都知事(64)が、食の安全に不安が残っているとして移転延期を決めた。そのため、市場関係者にとっては想定外となる築地で迎える2017年初競りとなった。

 生鮮マグロ卸売場では100本ほどのマグロがところ狭しと並ぶ。千葉・銚子産、和歌山・那智勝浦産など日本全国から築地にマグロが集まっている。さらにはメキシコ産の養殖モノ、インドネシア・バリ島から来たものもあった。

 大都魚類株式会社の青木信之社長が新年のあいさつに立ち、「マグロは大変厳しい環境にあったが、資源回復の道筋が見えた」と近年指摘されるマグロの減少危機を訴えた。東京築地魚市場大物業会の早山豊会長は「私の中にあるのは戸惑いと怒りです。我々は与えられた環境でしか商売ができない。その怒りを商売にぶつけ、何としても生き残っていこう」と、移転延期による中ぶらりんな状況を憂いた。

 誰もが豊洲市場で初競りをするものだと思っていたからか、どことなく悲壮感も漂う。そんな空気をブチ破るかのように初競りは、記録が残る中では13年の1億5540万円に次ぐ7420万円の高額競り落としで正月らしい派手さを見せた。

 記者団に囲まれ“ヒーローインタビュー”となった、喜代村の木村清社長(64)は「少し高いが、いいマグロを競り落とせた」と満足げ。これで6連覇となる。

 昨年、本紙のインタビューに登場した木村社長は、「縁起物の初物マグロこそお客様に食べていただきたいというのが、落札にこだわる理由」と語っている。

 喜代村は初競りで、04年から07年まで4年連続で最高額で競り落とし。08~11年は香港のすしチェーンが取って代わり、12年から再び喜代村に。同年は東日本大震災後最初の初競りで、「日本の縁起物を外国には渡さない」として、当時最高の5649万円で獲得。13年には1億円を突破し大きなニュースになった。

 以後、香港チェーンは撤退したとみられ、14年は736万円、15年は451万円まで下落。17年の7420万円は、15年の16倍強に相当する。

 今回の競りについて、喜代村の関係者は「何社かで競ったから価格が上がった」と話した。5日午後に解体され、お客さんに提供される。計算では1万5000貫分(1貫あたり約5000円)になるという。

 木村社長は小池知事へ向けて「ぜひ食べに来てください。小池さん、お待ちしております」と呼びかけた。先日、立ち食いステーキ店で200グラムのステーキを食べる画像をフェイスブックに投稿した小池知事。果たしてすしざんまいにやって来るのか。