安倍晋三首相(62)は27日午前(日本時間28日朝)、ハワイ真珠湾に沈む戦艦アリゾナの上に建てられたアリゾナ記念館をオバマ米大統領(55)と訪問した。政府によると日本の現職首相が同館を訪れるは初めてで、歴史的訪問となった。ニューヨーク州立大講師や日本女子大教授を務めた警鐘作家の濱野成秋氏が真珠湾開戦から75年、あるべき日本、そして日本人の姿を緊急寄稿。後編をお送りする。

【緊急寄稿】維新当時、世界中の弱小国の4分の3が欧米列強の植民地にされていた。手つかずは日本だけだった。なぜ女性のか細い手先で紡いで稼いだ絹織物の代価の大部分を戦艦巨砲に充てたか。それは米英仏蘭に露の侵略に必死で備えるサムライジャパンのけなげな姿そのものだった。

 アメリカが来る前にイギリスが来た。ロシアも来た。それをどうにか躱(かわ)して先祖の土地を守り抜いた日本人。

 アメリカよ、俺の大好きな、アメリカよ。日本人としてわかってもらいたいから、心のうちを隠さず言おう。俺が研究員だったころ、ニューヨーク州立大バッファロー校の教室でも俺は言った、大拍手だった。若者諸君が涙ぐんで握手に来てくれた。こう言ったのだ。

 真珠湾に飛び込んだ勇者たちの多くは、藁(わら)ぶき屋根の農家の出身で、先祖を大事にし、親に孝行し武道の鍛錬を忘れなかった、根っからのサムライ魂の若者だった。だから国に最大の危機が来れば、俺は日本人として断つ! その気で兵学校に通い、砲術を学び、剣道に熟達し、空中のドッグファイトにバツグンの技量の持ち主ばかりだった。

 兵舎の鬼瓦を後輪で蹴落とすいたずらをしても、そんな兵を上官は可愛がった。折しも日本独自で開発したターボ付き榮エンジン、精度バツグンの名機が誕生した。ゼロ戦だ。

 7・7ミリ機銃弾が高速回転のプロペラの間から発射される精度で航続距離1200キロの超軽量ゼロ戦。ハワイはこれと同等の雷撃機に超重量の魚雷を抱え、飛行甲板から海に落っこちそうになりながら離艦、民間施設には目もくれず、ひたすら軍艦や軍需施設だけを攻めた。97艦攻は全長5メートル以上もある魚雷を抱えて短い空母の滑走路を飛び上がったというから、たいへんな勇気である。

 祖霊ましますこの山河 敵に踏ませてなるものか。

 サムライジャパンはこの愛国心で過去2000年、他国と戦い、他国の属国となったことがない。こんな国はほかにあるか? これが日本の矜持である。誇りである。

 これをわかってもらえなくて、何をもって、君らアメリカと心底親しくなれると言うのか。真珠湾は騙し討ち? そんな議論はもうたくさんだ。

 将来、日米、本気になって世界最強の同盟国になるには、諸君らアメリカ魂と同じく、やる時は絶対やる大和魂をわかって頂きたい。

 俺がバッファローの大学生を相手にこう言って講演を終えたとき、たくさんの若者が感激して握手を求めて来た。わかるヤツにはわかる。虚心坦懐。日米本気で無二の親友になりたければ、安倍首相よ、そこまで腹を割ってトランプ大統領と語ってこそ、盟友ジャパンは頼もしい存在になる。負けたら助けて! そんな安保なら、やめとけ!