2016年のノーベル医学生理学賞を大隅良典・東京工業大学栄誉教授(71)が受賞した。細胞が内部のタンパク質を再利用するオートファジー(自食作用)の仕組みを解明し、研究が進めば、がんや加齢に伴う病気の治療も可能になるかもしれない。科学界ではわれわれの常識を覆す新しい発見・研究が日々、報告されている。“電気肉”で注目を浴びた科学実験酒場を運営するなど、大人のための科学実験の普及に努めるサイエンスライターの川口友万氏が17年に“実現”する仰天&奇跡のテクノロジーを大予想した。

 宇宙は無限に分裂するパラレルワールド。17年からは常識です。

 16年最大の科学トピックスは、重力波望遠鏡の完成でした。重力波という今まで測定できなかった力が測定できるようになり、ブラックホールが観測されました。

 宇宙の始まりは小さな一点です。そこから巨大な爆発=ビッグバンが起きて、宇宙が生まれました。ビッグバンで最初に生まれた重力は、理屈上、宇宙いっぱいに広がっています。重力波望遠鏡の本当の狙いは、その最初の重力波を見つけ出すことです。

 もし成功すれば、宇宙は何もない一点から生まれたことになり、量子力学が適応されます。宇宙は量子の泡の中に閉じ込められ、無限に分裂する波のようなものと定義されます。それはパラレルワールド、あなたとちょっとだけ違うあなたが無限にいる世界なのです。

 誰でも年を取るのは嫌です。しかし老化はある程度止められても、若返りは無理とされてきました。時計の針は巻き戻せないはずだったんです。

 16年、若いマウスと年を取ったマウスの血管をつなぎ、互いの血液が入れ替わるとどうなるのか?というちょっとグロテスクな研究が発表されました。それによると年を取ったマウスの老化に伴う心臓肥大が改善、筋肉の機能も回復、神経細胞が増殖して鼻が良くなり、認知症も治ったというとんでもない結果が出たのです。

 若い血液で若返る! まるでバンパイアです。若返り因子の特定も進んでいて、いずれは注射や点滴だけで若返るかもしれません。

 もっと怪しいのが17年に行われる頭部移植手術です。イタリアの医師セルジオ・カナベーロは、以前から首を切断して別の人間の体に付け替えることができると豪語していました。それに中国の執刀医が協力。首から下が動かないウェルドニッヒ・ホフマン病を患うロシアの男性ワレリー・スピリドノフ氏(31)が被験者として名乗り出ています。もし成功したら画期的ですが、そのやり方が極めて乱暴。スピリドノフ氏の頭部を脳死状態のドナーの体に接合するにあたり、ポリエチレングリコールという接着剤で神経をつなぎ、縫い合わせるというんです…。プラモデルじゃないんだから。

 サルでは成功したそうですが、果たして人間でもうまくいくのか? 17年、中国で手術が行われる予定です。

 16年はドローンとVRが爆発的にヒットしました。ドローンは大型化が進み、陸海空すべての兵器にドローン版が登場しています。いずれはAIを搭載、完全な無人戦闘ロボットが主力になると思われます。

 先進国では軍人が死ぬと非常に高い補償金が必要なので、軍としてはできるだけローコストかつ自分たちは安全に敵を皆殺しにしたいのです。対ドローン兵器も20年を目標に開発中で、ロボット同士が戦っている無人の戦場という珍奇な光景がこれからの戦争です。

 VRではAV女優の立体ムービーがバカ売れ中で、アダルトVRゲームも次々にリリース予定です。ゲームと連動できる電動オナホールも登場し、ますます少子化が進みそうです。

 さらに脳に電極を埋め込んで、触った感触を電気的に再生する技術が米国で開発されました。オッパイを触ったら、そのデータを記録します。別の人の脳にそのデータを送り込むとオッパイを触った感触が再生されるのです。

 これさえあれば、いつでもどこでもエッチできる! 問題は頭蓋骨に穴を開けて、不格好な電極を突き刺す必要があることです。勇者を求む! みんなの新たな官能のために、頭に穴を開けてください。