鳥取県智頭町で大麻取締法違反（所持、譲渡）の罪に問われた大麻加工販売会社社長（３７）に広島地裁は２６日、懲役２年６月、執行猶予４年（求刑懲役２年６月）の判決を言い渡した。

　被告は鳥取県の許可を得て、３年前から産業用で麻薬成分が少ない大麻草を栽培し、繊維などの加工品を販売していた。被告は「大麻栽培で町おこしをしたい」と言いながら精神活性作用の強い海外製大麻を密輸していた。

　１０月に被告が逮捕された直後、沖縄県石垣島では元女優の高樹沙耶（本名益戸育江）被告（５３）も大麻所持容疑で逮捕された。この２人と“関係”があったのが安倍昭恵夫人（５４）だ。

　昭恵夫人は大麻文化の復活を訴え、被告の町おこしに共感し、メディアでともに“大麻解禁”をアピールしていた。また７月の参院選出馬時に医療用大麻の解禁を訴えていた高樹被告とは、親交があり、コラボ実現かと話題になった。

　その２人が医療用でも産業用でもなく、嗜好用の大麻所持で逮捕されたのだからシャレにならない事態だが、昭恵夫人はお構いなしで、さらに解禁運動を“先鋭化”させている。

　１１月にフェイスブックで、麻文化を復活させようとする「『伊勢麻』振興協会」のニュースを取り上げ「この逆風の中だからこそ、意味があるのだと思います」と強調し、同時に同協会の顧問にも就任。メディアを通じて、大麻解禁の声をさらに大きくしているのだ。

　永田町関係者は「大麻＝悪の風潮を変えたいという昭恵夫人の訴えは分かるが、栽培用大麻の社長が有名になったのは、昭恵夫人が宣伝したことが大きい。逮捕を受け、鳥取県は大麻草栽培免許の交付をやめ、栽培農家は迷惑した。昭恵夫人も説明するか、しばらく自重するのが筋ではないか」と話している。