三浦弘行九段(42)の“将棋ソフト使用疑惑”で新展開だ。日本将棋連盟が調査を委託した第三者委員会は26日、同氏に不正行為は「認められなかった」と発表した。

 三浦九段が対局中に頻繁に長時間席を外すことから疑惑が浮上。同氏の差し手が将棋ソフトと90%一致したとのウワサも出回り、同九段は連盟から年内出場停止処分を科せられていた。

 これに三浦九段は「濡れぎぬだ」と猛反発。将棋ソフト自体、スマートフォンにダウンロードしていないと主張していた。

 注目された調査結果は「シロ」。元検事総長で、第三者委員会委員長の但木敬一弁護士は「不正の根拠とされた離席行為の事実がないこと」や「ソフトとの一致率が分析ごとにばらつきがある」ことなどを挙げ、不正行為に及ぶ証拠はないと説明した。これで風向きが変わるのは、三浦九段を「クロ」認定していた人たちだ。

 羽生善治3冠(46)は妻のツイッターを通じ「今回の件は白の証明も黒の証明も難しいと考えています」とグレー扱いした上で「疑わしきは罰せずが大原則と思っていますので誤解無きようにお願いを致します」とコメントしていた。

 特大ブーメランが直撃したのは、たきつけ役といわれる渡辺明竜王(32)。同氏は一部取材に「間違いなくクロ」と断言。竜王戦で三浦九段と対局予定だったが「不正を行った人と指すつもりはない」と舌鋒を強めていた。

「物静かな人が多い棋士の中で、渡辺竜王は異端児。威勢良く疑惑をブチ上げていたが…。その後、雲行きが怪しくなってきたのを察知したのか連盟に『三浦九段の処分は求めていない』と徐々にトーンダウンしていった」(関係者)

 渡辺氏は竜王戦の“前哨戦”といわれた対局で三浦九段に負けており、ネット上では「勝てない相手だから疑惑をデッチ上げたのでは?」という声も上がっている。次は渡辺氏が説明する番だろう。