五輪会場の見直し計画「差し戻し」小池劇場ドタバタ空転で批判の声

2016年11月26日 08時00分

 2020年東京五輪の会場見直し問題で、ボート、カヌー・スプリントを「長沼ボート場」(宮城県登米市)に変更する案が見送られ、当初の「海の森水上競技場」(都内臨海部)で整備される方向になった。他の見直し計画も差し戻し濃厚で、小池百合子東京都知事(64)は一転、窮地に追い込まれた。

 

 小池氏は長沼ボート場を自ら訪問し「被災地の復興を後押ししたい。復興五輪は大きなテーマ」と意気込んだことから、長沼への変更は有力とみられ、宮城県の村井嘉浩知事(56)も色めき立っていた。

 

 ところが、競技団体の反発に加え、「海の森」の建設を中止した場合、これまでの工事費などで約100億円がかかることが判明。結局、コスト面から同所で恒久施設とする案(整備費328億円)か、大会後に屋根などを撤去できる仮設案(同298億円)に絞られる見通しだ。

 

 バレーボール会場も横浜アリーナ(神奈川県横浜市)への代替案が検討されているが、これまた競技団体からの反対や、アリーナ周辺のスペース不足などで、現計画の「有明アリーナ」(東京都江東区)の新設に傾いている。水泳会場も新設の「五輪水泳センター」(江東区)で落ち着く雲行きだ。

 

 五輪組織委員会の中からは「安易に宮城へ視察に行ったのが失敗」「組織委とIOCが被害者。乗った宮城県知事も悪い」と冷ややかな声が漏れ始めた。

 

「もともと小池氏は移転できるなら検討に値するというスタンスだったが、五輪組織委員会の森喜朗会長との対立があおられる形で積極的になっていた。整備費用の透明化はできたが、会場が変わらなければ、この2か月のドタバタはなんだったのかと小池氏への逆風になりかねない。どう意地を見せるかが注目でしょう」(都政関係者)

 

 見直し問題は29日に開催されるIOC、組織委、政府、都の4者会合で結論が出る予定だ。